<長野県上田市別所>
岳の幟祭礼(夫神岳〜別所各地区〜別所神社)/7月第2日曜


上田市別所は、古くからの温泉地。またここら一帯は降水量の少ない土地柄で、古くから「雨乞い祭り」が行われてきました。
岳の幟行事は、7月15日の早朝、夫神岳(1,250m)の山頂の九頭竜権現に長幟を献納し、雨乞いを祈る祭りです。

一方、祇園祭の出し物として、三頭獅子と簓踊が伝えられてきましたが、昭和9年に獅子頭新調を機に、これら2つのまつりを同時に行うことが慣例になったのだそうです。つまり、他地区の獅子、三頭獅子と同じく祗園の芸能だったのです。

<簓踊>
先に舞われます。

現在は女児のみで舞われますが、かつては男児で、花笠でなく鉢巻だったそうです。
簓は「スリザサラ」で、道行や入退場は柄を打ちながら歩き、舞になると持ち替えて、摺り合わせる振りになります。

伴奏は笛と太鼓。太鼓は2本の竹に据え付けられた締太鼓を男児が打ちます。それに「簓唄」が女児によって、可愛らしく歌われます。

◆簓◆ (2002年7月14日 岳の幟/別所神社)

<三頭獅子>
簓踊が終わって退場の「道行」の楽に乗って、三頭獅子が続けて登場します。
ここは緑色の男獅子2頭、赤色の女獅子1頭で構成されます。鼻高の天狗や祢宜といった役は登場しません。

(2002年7月14日 岳の幟/別所神社)

演目は、@道行、A振り込み、B舞込み、C舞の部、Dかじり、E岡崎、F骨なし、G道行 となります。なお、舞は別所地区内の4ヶ所で舞われますが、全部舞われるのは別所神社のみで、他ではE岡崎まで舞って終わります。F骨なしは別所神社のみの舞です。
頭は面長の龍頭で、山鳥の尾を着けます。幌は長く、腰には太鼓を付け手には桴を持つものの、打ち鳴らすことはありません。

なお、三頭獅子ではありますが、伝承のために、三頭が2組出て舞われていました。毎月練習をされているそうです。