石川県羽咋市旭町/稲荷神社/9月第3土曜日

石川県も能登の入り口・羽咋市は、能登半島の西部に位置し、宝達丘陵の碁石ケ岳を挟んで富山県氷見市に接しています。市内には50ヶ所以上の獅子舞の伝承があるそうですが、そのなかの1つ・旭町の稲荷神社の秋祭りに獅子舞が、「あさひ会」によって舞われています。

◆囃子を奏する楽器◆


この旭町は疋出津といい、明治期には北前船の船長・河崎五郎右衛門によって、京都・伏見稲荷から分霊、勧請し、羽咋神社末社として登録されたのが、現在の稲荷神社だそうです。旧羽咋町の町々で舞われている獅子舞の一つで、秋祭りに舞われています。


獅子舞の形態は、一頭で獅子頭を持つ役とカヤに4人ほど入る百足獅子です。大獅子と子獅子の2組が出されます。相対するように天狗も舞います。獅子頭は小振りで
黒色に塗られ、頭に宝珠をいただいています。カヤ(胴幕)と頭は繋がっておらず、頭持ち役が手に持って舞います。こうした小振りの獅子頭は、能登獅子系の特徴のようです。

楽器は、笛(縦笛)、太鼓、鉦。太鼓は小振りのもので、茶さじのような形のバチで転がすように打っていました。左手で肩のあたりで担ぐようにして構えるのも、特徴的です。

また棒や刀、薙刀を振る役がありました。獅子舞の頭とはちがう獅子頭をカツカツと音を立てて相対して、アクロバティックに飛び跳ねていました。

2007年9月15日、羽咋市旭町、稲荷神社