<長野県千曲市八幡>
武水別神社/9月14日

千曲市八幡に鎮座する武水別神社は「やわたの八幡さん」として近郷の人々に親しまれている神社です。

社伝によると、主祭神の武水別大神(たけみずわけのおおかみは第八代孝元天皇の御代に御鎮斎と伝えられており、善光寺平の五穀豊饒と千曲川の氾濫防止とを祈念して祀られたといいます。相殿に奉斎されている八幡三神・誉田別命(ほんだわけのみこと)、息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)、比呼大神(ひめおおかみ)は、安和年間に京都石清水八幡宮より勧請されたといいます。

当地方屈指の大社で、氏子も広範囲です。また祭事も多く、特に12月10〜14日の「大頭祭」は有名です。

◆郡(こおり)地区の神楽◆



この仲秋祭は、毎年9月14日の晩に開催されています。
夕刻より、武別水神社の氏子である地区が集まってきます。中でも「太神楽」の獅子を所有している地区は、道中を囃しながら集まります。

夜6:00過ぎになり、各地区から集まると、鳥居前の獅子宿となっている場所へ行きます。
宿では、獅子が座敷に上がり、家族の見守る中で、一舞演じられます。その後、宿では宴が催されます。

その後、各宿から、一旦「斎の森」と呼ばれる神社へ集まります。ここでは、各地区の「地区名」の書かれた提灯のろうそくに火がともされて、出発を待ちます。また、神楽を持つ地区では、笛、太鼓、鉦によって、道中囃子を奏しながら集まります。代地区は屋台が出され、囃子が奏されます。多数の地区が集まるため、同時に複数の囃子が聞こえてきます。

◆斎の森を出発し、神社へ向かう神楽◆

夜9:00を過ぎると、この場所で列を揃え、神社へ威風堂々と練り込んで行きます。

この時も、神楽を所有する地区の囃子が同時に奏されながら、進みます。灯りは提灯の明るさのみで、幻想的な中にも、囃子が聞こえる雰囲気は、大変優雅な感じさえしてきます。

やがて、大鳥居をくぐり、神社境内へと進みます。

全地区が揃うと、かなりの長さになります。神社参道にいっぱいに行列が縦列を組みます。
すると、境内のに仕掛け花火が点火されます。ナイヤガラや仕掛け花火などが華やかにあがり、観客も盛り上がります。

やがて、神社拝殿前の神楽殿には、各地区の氏子総代等が上がり、神楽の奏演を待ちます。

やがて、神楽殿の前にはござが敷かれ、そこで各地区の獅子舞の競演となります。多数の地区が集まりますが、2ヶ所が並んで同時に舞われます。それぞれ独特な舞と囃子で演じられますが、同時に舞われる獅子は壮観です。

なお、獅子が演じられた地区は以下の通りです。
●郡(こおり) ●中原 ●峯 ●志川(しがわ) ●姨捨(おばすて) ●上町

また、代(だい)地区は、屋台が出され笛、太鼓、大鼓、小鼓、三味線による囃子が奏されます。曲は《道中囃子》《宮神楽》が演じられました。

その後、神社前の本町による屋台が出され、そこでは地元の舞踊家による踊りが披露されます。

そして最後は、境内で、筒に縄の巻かれた花火が噴水のように上げられます。これで仲秋祭も最後となります。