石川県羽咋郡宝達志水町今浜/八幡神社/9月第3土曜、日曜、敬老の日

能登半島の西部、能登の入口、羽咋郡宝達志水町は、獅子舞の多いところ。今浜地区は、日本で唯一、砂浜をドライブできる千里浜なぎさドライブウェイの起点です。かつて、砂丘上の道として知られていました。金沢から能登路へ向かうと、内陸を通る七尾街道とも呼ばれた内浦街道と、海辺を通る外浦街道に分かれますが。その分岐にあたるのが、この今浜です。ここに鎮座する八幡神社は、麦生の相見神社の境内摂社でしたが、江戸期に現在の場所に遷されました。社殿には北前船等の絵馬が多く奉納されていることでも知られています。

この今浜の八幡神社の秋祭りに、青年団による獅子舞が伝承されています。今浜でも本町筋の八幡神社付近の地区は「今浜青年団」、旧内浦街道のバイパスとして新しく造られた国道249号線を「今浜新道」と呼び、そちらの地区は「新道青年団」と、2つの青年団によって獅子が舞わされています。そして、おまつりは現在でも3日間に渡って執り行われています。

小獅子の囃子

1日目は新道青年団を中心に「場ならし」として、獅子舞が地区内を巡行していきます。夕刻になると、新道の「宵宮」となり、花火を伴って賑やかな舞が繰り広げられます。
2日目は今浜青年団を中心に、獅子舞による「場ならし」、新道地区の神輿巡行、夕刻は今浜の「宵宮」です。
3日目は、今浜地区の神輿巡行、最後に宮入りとなり、3日間に渡るおまつりは終了となります。


わたくしが出かけたのは、2011年の1日目のまつり。今浜新道青年団により、地区内の家々を廻っているところからでした。能登系らしい小獅子と大獅子が舞わされていました。大獅子は紺屋町からの伝承で越中獅子の系統です。また獅子に相対して、天狗がつきます。富山・氷見系のズッカブソ風なシャグマをつけています。
囃子につく楽器は、小獅子には縦笛と、紐をつけて首から下げた締太鼓を、絣の着物の児童が奏します。大獅子はやはり縦笛と、縦に置いた鋲留め大太鼓と、木枠につけた鉦を奏します。小獅子の囃子は軽快な感じですが、大獅子は割合大きめの鋲留め太鼓のためか、重々しい感じです。

夜になると「宵宮」の行列になりました。ゆっくりと進む神輿に、獅子舞が先導します。その獅子舞には、相当数のドラゴンが点火され、道を明るく照らします。と言うより、元気に舞う獅子方に向けて、「発射」し、相当な盛り上がりを見せていました。また、道中の途中では、手に持った棒状の2本の柱をもち、その間に張られた「移動式」ナイヤガラが点火されます。その火花が落ちるなかを進んでいく獅子舞。華やかさを添え、相当激しい花火の饗宴といった感じです。

<地区内の巡行>

<宵宮>
2011年9月17日、羽咋郡宝達志水町今浜地区内各所