石川県羽咋市寺家町/大穴持像石神社/9月第3土曜日

石川県も能登の入り口・羽咋市は、能登半島の西部に位置し、宝達丘陵の碁石ケ岳を挟んで富山県氷見市に接しています。市内には50ヶ所以上の獅子舞の伝承があるそうです。寺家(じけ)町は、羽咋市でも海岸寄り、能登一の宮として知られた気多大社の鎮座する場所です。また縄文前期といわれる寺家遺跡も知られ、古来からの歴史の深い土地です。その寺家町では、気多大社の摂社である大穴持像石(おおなもちかたいし)神社の秋祭りに、子どもによる獅子舞が舞われています。

◆銅拍子◆

元来、寺家町の秋祭りは9月18日でしたが、現在は9月第3土曜日に移行されています。

獅子舞の系統は能登獅子で、赤系統の波に、牡丹の花が鮮やかなデザインのカヤ(胴幕)に数名が入る百足獅子のタイプです。1組の小獅子が伝わっています。獅子頭はやや小振りで赤色に塗られ、宝珠をいただいています。頭はカヤとは繋がっていて、上下左右に激しく動かし、軽快に舞われます。
また、当地域の特徴でもあるように、獅子に相対して天狗が着きます。

獅子方の装束としては、黒地の前掛けには気多大社の神紋である「丸に山桜」が描かれているのが印象的です。また、楽器は笛がなく、小振りの太鼓、鉦、それにシンバル状の銅拍子を使っています。銅拍子の使用は、この付近の能登獅子には見られるようです。太鼓は紐にくくられ状態で、首に掛けて打っていました。

子どもによる舞ではありますが、各家々をていねいに舞っていきます。

2007年9月15日、羽咋市寺家町内、各所