富山県魚津市金山谷/3月17日 

富山県魚津市金山谷は古くからの集落で、松倉城の下にある山村です。神明社の春祭りに獅子舞が舞わされてきました。言い伝えでは、明治初期に松倉金山の採掘工により伝えられたといいます。獅子の芸態としては氷見系のようで、能登系というよりも氷見伝播型獅子といえそうです。笛は氷見らしくタテブエが使われていますが、太鼓は小ぶりの締太鼓で、音色が軽やかなためか、お囃子は能登風にも聞こえます。

獅子舞は12時から始まります。神社に隣接する「金山谷郷土文化保存伝承館」で準備、ここから舞い出します。その後、全戸を回ることはないようですが、何軒かのお祝いのお宅で舞わされ、13時過ぎ頃からに神明社に宮入りとなります。

獅子頭は赤色の大きなもので、その他の役としては大天狗、小天狗、道化として「バツ」と「オータルカカエタル(オータリカカエタリとも)」の2人が出ます。演目は「一足」「二足」「三崩し」「倍返し」「八つ節」「七五三」「よそ振り」「獅子殺し」といった氷見系のものが並びます。

呉東には珍しい氷見系の百足獅子ですが、氷見系の特徴をよく表しているように思います。

2018年3月17日、魚津市金山谷神明社にて