新潟県糸魚川市日光寺/日光寺、白山神社
4月第3日曜日 11:00〜15:00

新潟県糸魚川市の山間部にある日光寺白山神社に、「けんか神輿」で知られ、「けんか祭り」とも呼ばれる春祭りが行われます。けんか神輿といえば、4月10日の糸魚川市一の宮、天津神社の祭りがよく知られています。また、8月31日〜9月1日の同市根知山寺の祭りでもけんか神輿があり、同系統の祭りです。日光寺では舞楽はなく、神輿渡御がメインですが、白山神社から日光寺へ神輿が渡御するという神仏混交時代の名残のある祭りとして知られています。かつては4月18日であったが、近年は4月第3日曜になりました。

祭りは11:00から白山神社での修祓からスタートします。拝殿内では神官による祝詞が始まる一方、神輿を担ぐ人々が走って神社へ駆け上がってきます。お祓いを受けたあと、2基の神輿が神社を下りていきます。その他、露払いや一人立ちの獅子が先導しながら行列が進みます。神社を下る頃、日光寺の僧侶も行列を組んで観音堂へ向かいます。この間、観音堂仮設の舞台で楽人が笛や太鼓を奏します。このメ

 
真言宗阿弥陀山日光寺

ロディは天津神社や根知山寺の祭りと似ています。


観音堂内では僧侶による読経が続きます。その観音堂を2基の神輿が回ります。そして、いよいよ前半のけんか神輿が始まります。相対するように一の神輿と二の神輿が向き合い、ガツンという音とともに激しくぶつかり合います。何回か繰り返すうちに、飾りが取れたり、屋根の部分がへこんだりします。やがて、お走りとなり、神輿が勢いよく観音堂の周りを駆け出し、観音堂前に置かれます。


13:00頃からは、地元日光寺岩戸舞が奏演されます。これは当地域に広く伝承される「十二の舞」とか「大夫舞」と呼ばれる神楽です。わたくしが訪ねた2019年は4演目が演じられました。

やがて14:00過ぎから、再びけんか神輿が行われます。最後のお走りでは観音堂から一気に白山神社へ駆け上がり、神輿を下ろして、祭りが終わります。

阿弥陀山日光寺は真言宗の寺院。白山神社は日光寺を見下ろすような高台の森の中にあります。日光寺では舞楽はないものの、能生白山神社舞楽で用いられる陵王の面の裏に、阿弥陀山日光寺の墨書が残されており、何らかのつながりがあったようです。

神仏混交時代の名残を残す祭りとして知られていますが、富山県魚津市の小川寺の獅子舞がやはり白山神社を出発して、千光寺の観音堂の周りを七度半周る形をとっており、やはり何かのつながりがあるように感じられます。