松代大門踊 歌 詞
                                               
(「松代町誌」より)              

【肴町御先踊】
(音頭)
 東西太鼓の頭を頼み申す

 池の汀に松竹植えて 木の下陰に 千代万歳幾世を込めて 鶴と亀とが舞い遊ぶ
 君も豊かに栄ゆく松の 木の下陰に 千代万歳幾世を込めて 鶴と亀とが舞い遊ぶ
 松の葉色も深しき緑 木の下陰に 千代万歳幾世を込めて 鶴と亀とが舞い遊ぶ
 浜の砂に栄ゆる松の 木の下陰に 千代万歳幾世を込めて 鶴と亀とが舞い遊ぶ
 池の汀に松竹山の  木の下陰に 千代万歳幾世を込めて 鶴と亀とが舞い遊ぶ


【七ヶ町踊】

(音頭)東西太鼓の頭を頼み申す
     見上げれば 雲井に見ゆる瀧津瀬の
(地唄)水上清き流れの水を 結ぶ白糸来る秋毎を 楽しむ民の豊かなる代のためしかな
(音頭)あれを見よ 余所にはあらじ瀧津瀬の
(地唄)花は深山の岩つつじ 花は深山の岩つつじ 枝も栄ゆる常盤の松の叶い叶うて御代は万歳
(音頭)東西太鼓の頭を お頼み申す
(地唄)しっかと踏んで やれこの場をば ならさぬえ
(口説)ならさねば やれ踏まぬもの

(地唄)そこらで落とすな
(口説)まかせておけろ
(地唄)まかせておけなら 松原越えたえ

(口説)松原越えた よんやさ越えたえな
(地唄)松原越えて やれこの御代は 目出度目出度の若松様よ 恐れながらもぬらりぬっとつんでで
    引くに引かれず ほこりをふきひろめ 松原越えたえ
(口説)松原越えた よんやさ越えたえな

(地唄)そこらで落とすな
(口説)まかせておけろ
(地唄)まかせておけなら 松原越えたえ

(口説)松原越えた よんやさ越えたえな
(地唄)松原越えて やれこの向う通りゃるお若い衆様は 見目がよいとて自慢なよしゃれ
    顔のいくぼに水も溜まるかな とったりとも水は漏らさじ 松原越えたえ
(口説)松原越えた よんやさ越えたえな

(地唄)そこらで落とすな
(口説)まかせておけろ
(地唄)まかせておけなら 松原越えたえ

(口説)松原越えた よんやさ越えたえな
(地唄)松原越えて やれこの今年ゃよい年 穂に穂が咲いた 黄金の升で米(よね)をば計ろ
(口説)一番目の早乙女の計りし米は
(地唄)一万石一十斗一斗一升一合一勺一才迄計り納めて二番目に渡した
(口説)二番目の早乙女の計りし米は
(地唄)二万石二十斗二斗二升二合二勺二才迄計り納めて三番目に渡した
(口説)三番目の早乙女の計りし米は
(地唄)三万石三十斗三斗三升三合三勺三才迄計り納めて四番目に渡した
(口説)四番目の早乙女の計りし米は
(地唄)四万石四十斗四斗四升四合四勺四才迄計り納めて五番目に渡した
(口説)五番目の早乙女の計りし米は
(地唄)五万石五十斗五斗五升五合五勺五才迄計り納めて六番目に渡した
(口説)六番目の早乙女の計りし米は
(地唄)六万石六十斗六斗六升六合六勺六才迄計り納めて七番目に渡した
(口説)七番目の早乙女の計りし米は
(地唄)七万石七十斗七斗七升七合七勺七才迄計り納めて八番目に渡した
(口説)八番目の早乙女の計りし米は
(地唄)八万石八十斗八斗八升八合八勺八才迄計り納めて九番目に渡した
(口説)九番目の早乙女の計りし米は
(地唄)九万石九十斗九斗九升九合九勺九才迄計り納めて十番目に渡した
(口説)十番目の早乙女の計りし米は
(地唄)十万石十十斗十斗十升十合十勺十才迄計り納めて 
    一から十までやあら目出度い松原越えたえ
(口説)松原越えた よんやさ越えたえな

(地唄)そこらで落とすな
(口説)まかせておけろ
(地唄)まかせておけなら 松原越えたえ

(口説)松原越えた よんやさ越えたえな
(地唄)松原越えて やれこの橋の上なる若君様は 誰の息子と立寄り見れば
     召したりゃ帷子の模様を好んで 好み好んで肩に番匠箱 腰に小みの小ちょうな着けたりゃ
     才槌落としたりゃ 墨壺に墨さし 前や後ろの鉋屑の数々は 浜の砂子といよ君が代は
     数え尽くさじ面白や松原越えたえ
(口説)松原越えた よんやさ越えたえな

(地唄)そこらで落とすな
(口説)まかせておけろ
(地唄)まかせておけなら 松原越えたえ

(口説)松原越えた よんやさ越えたえな
(地唄)松原越えて やれこのさらば これから唄うて聞かしょ 唄う唄には何々ござる 
     いつも変わらぬ杓子舞がよかろ 杓子木にとっては品々ござる
     一に銀杏よ 二にまた柳 三に桜に 四に椎の木 五に五葉松 六つ椋の木
     七つ梨の木 八つ山桑 九つ小柿で 十で栃の木
     栃の木のとんがり拳で 三年三月九十九日かかって 八日市へ持って行ったら
     八日市の役にとって先ず一本取られた
     後の二本引っからげて引背負って 十日市へ持って行ったら
     十日市の役にとってまた一本取られた
     後の一本 山の者も買う買う 里の者も買う買う 我も買う 人も買う
     引っつり引っ張り杓子が耳を引っかいた
     売るにゃ売られず 買うに買われず 前の川へ投げたれば 杓子が腹立たげてのつそつ流れゆく
     杓子舞を見さえなと面白や 松原越えたえ
(口説)松原越えた よんやさ越えたえな

【千秋楽】
(音頭)東西太鼓の頭を 頼み申す
(地唄)やあらやあらの祇園の枝も 栄ひ栄ふて御代は万歳 千秋楽には民をなで
    万歳楽には命をのぶ 相生の松風 さっつさつの声ぞ楽しむ さっつさつの声ぞ楽しむ