<長野県埴科郡坂城町南日名>
季野宮・天満宮 春祈祷祭
月第4日曜日
午前8:30(公民館発) 午前9:30(季野宮)〜地区内

◆地区内の道中囃子◆

坂城町の扇状地の上部・鏡台山の麓に位置する南日名区は、リンゴ畑が広がる一方、かつての蚕室造りの家屋が点在する古くからの集落です。

ここの太神楽獅子舞は、正月元旦祭(1月)、季野宮(天満宮)の春祈祷祭(3月)、御観音祭(8月)、北日名と隔年で坂城神社の春祭り(4月)に、それぞれ奏演されます。特に3月の春祈祷祭は、地区内の巡行を含めて盛大に行われています。

ここの神楽の歴史としては、宝暦2年(1758)に、神明社の祭礼を盛大にするために、次郎兵衛が提唱して、若者達が神楽を寄進したことに始まると言います。

そういった気概があるのか、この獅子舞を伝承する「南日名若者連」は若者が多く!活気のある獅子舞です。




午前8:30、南日名公民館に集まり、やがて神官を先導に、季野宮までの道を、巡行します。太神楽特有の<神楽>の御輿を子ども達が曳き、笛と太鼓で、《道中囃子》を奏しながら、神社へ向かいます。

神社へ着くと、拝殿内では神官による修祓、祭典が執行されます。
その後、参拝者達には赤飯が配られるなど、春祭りの雰囲気を盛り上げます。

やがて、拝殿前で獅子舞が奏演されます。

   
  
◆幌舞◆ ◆平舞◆

まず<幌舞(ほろまい)>です。前後二人による「二人立ち」で舞われます。動きは「女獅子」と呼ばれるだけに、激しい動きの舞でなく、ゆるやかな優雅な感じの動きです。
後半は<平舞(へいまい)>です。後ろの担当が、獅子の幌を絞り肩に通し、獅子と共に左右に動く舞をします。この時ひょっとこ面やおかめ面を着けます。途中、幣と鈴を持ち、緩やかな舞を続けます。

最後は再び「二人立ち」となって終わりになります。

神社で一通りの舞を済ませると、いよいよ地区内を廻ります。

やはり《道中囃子》に乗って、子ども達が<神楽>を曳きながら、地区内を廻っていきます。

途中、区長宅、組合長宅、祭典係宅、氏子総代宅、その他新築等の祝儀を願い出た家々を廻り、それぞれの場所で、舞を奏演します。毎年、10軒程度を廻るので、終了は午後5:00を廻るようです。

獅子舞の方は、座敷に上がって舞われたり、敷地内に準備された茣蓙の上で舞われたりします。家族はその獅子舞をじっくり見守ります。

この春祭りは<春祈祷>と言われるだけあって、家々を廻っての「悪魔払い」を目的とする獅子舞です。


また、各家々では祝儀が振る舞われ、子ども達にはお菓子が用意され、配られていました。それを目当て?の子ども達で大変賑やかな春祭りのひとときです。