○私ゃ真室川の 梅の花コーリャ 貴方マタ この町の(新庄の)鶯よ(ハコリャコリャ)
花の咲くのを待ち兼ねてコーリャ 蕾の中から通って来る(ハ ドントコイドントコイ) ※以下 唄ばやし省略
○蕾のうちから 通っては見たがコーリャ 開らかぬ花とて 気がもめる
早く時節が 来たならばコーリャ 一枝ぐらいは折ってみたい
○私ゃ真室川の 山桜コーリャ 貴方マタ浮気な 春の風
咲かせてくれたは よいけれどコーリャ 一夜で散れとは 憎らしや
○花の山形 紅葉の天童コーリャ 雪をマタ眺むる尾花沢
声ものどかな 新庄節コーリャ 庄内鶴岡 米の里
○山を越え川を越え はるばるとコーリャ 真室川見たさに 故郷(くに)を出た
深山がくれの 百合の花コーリャ そっとマタ手折れば 香に迷う
○今日は日もよし 天気もよしコーリャ 恵比須マタ 大黒浜遊び
大鯛小鯛を釣り上げてコーリャ 釣り竿かついで踊りこむ
○貴方は御殿の八重桜コーリャ 私ゃマタ垣根の朝顔よ
いくら程よく 咲いたとてコーリャ 御殿の桜にゃ およばない(届かない)
○遠く離れて 何を待つコーリャ 頼りとするのは 文ばかり
たとえお金が かかろともコーリャ お手紙のやりとり位は しておくれ
○夢を見た 夢を見た 夢を見たコーリャ 貴方と添うとこ 夢に見た
三三九度の盃をコーリャ いただくところで 目が覚めた
○裏から回れば 垣根コあるしコーリャ 表から回れば 犬吠える
鳴くな騒ぐな 泥棒じゃないよコーリャ この家の娘の 色男(この家の娘さんに ちょいと用がある)
○真室川よいとこ 新庄を受けてコーリャ 娘マタ美人で 唄どころ
上り下りに ちょいと足とめてコーリャ 聞いてマタお帰りこの音頭
○鏡見るたび 思い出すコーリャ 両親(ふたおや)恨むじゃ ないけれど
も少し器量よく 生まれたらコーリャ どんなマタ男も 迷わせる
○お山のお山の 山鴉コーリャ 可愛いと鳴いたが なぜ悪い
今見ただけでも 好きは好きコーリャ 十年添うても 嫌やは嫌や
○花が咲いた 花が咲いた 花咲いたコーリャ 娘マタ十八 花咲いた
いずれ散る花 一枝位コーリャ あなたのことなら あげまする
○広い田んぼに 出てみればコーリャ さらしマタ手拭い 頬被り
紅い襷にもんぺはきコーリャ 稲刈るおばこの 艶姿
○あの時逢わねば ただの人コーリャ 逢うても惚れなきゃ ただの人
惚れて添わなきゃ ただの人コーリャ 添うても別れりゃ ただの人
○添わせておくれと 願掛けてコーリャ 添わせてくれたは よいけれど
それからどうしてよいのやらコーリャ 神様教えてくれなんだ
【追分入り】
○親が許さず 別れてみたがコーリャ 追分聴くたび 思い出す
「(ソイーソイ)
別れて今更(ソイ) 未練じゃないか 気に掛かる(ソイ)
主はいずこで 暮らすやら(ソイ)
雨の降る日も 風吹く夜さもネ(ソイ)
思い出しては しのび泣き」
泣いてみたとて 何となるコーリャ せめてマタ ご無事で暮らしゃんせ
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