〜新潟県長岡市〜

南北に長い新潟県の中程、中越地域の中心地・長岡市。市の中心は、日本一の大河・信濃川が流れています。そして東西はなだらかな丘陵地帯で、広々とした田園地帯を見ることができます。

長岡の歴史は、有名な火焔土器で知られるように縄文時代の遺跡によって偲ばれます。そして長岡藩は、牧野公7万4千石の城下町として長く栄えます。

 
地元で販売されている正調長岡甚句のレコード


しかし、幕末には河井継之助率いる長岡藩は、北越戊辰戦争へと突入。中立を目指すものの全面戦争となり、最終的には敗北、町はほとんど焼失したといいます。

かろうじて再興した長岡藩の窮状を見かねた、支藩・三根山藩からの救援米の配分について、小林虎三郎は、食べてしまうのではなく、米を売ってその金で学校を建て、教育をすすめようと説得する。この「米百俵」の故事は、あまりにも有名。

このように幕末から終戦まで、ことごとく街を焼かれた長岡でした。
現在は、近代的な街並みです。しかし、こうした歴史は忘れられません。

夏に盛大に行われている「長岡まつり」は、長岡空襲、そして敗戦の翌年、1946年に「長岡復興祭」としてスタート、有名な花火大会もその翌年から復活したのだそうです。

そんな長岡を代表する民謡が《長岡甚句》です。8月の「長岡まつり」でも民謡流しが行われているそうです。

唄の方は、越後に数多く残る甚句の一つです。伴奏には三味線に、笛、太鼓が入りますが、唄と笛のメロディ、そして三味線の音が複雑に絡み合い、ある意味でポリフォニックなサウンドに聞こえてきます。
歌詞は近世7775調でなく、様々です。また、返しを、下の句の3文字をとって繰り返す歌い方は、よく聴いてみると新潟や長野北部あたりの甚句の中にはあるような気がします。

ある時、長岡市内のレコード店に入ったら、長岡甚句のCDを買えたのですが、もう一つ45回転のドーナッツ盤レコードを発見!思わず買ってしまいました。
長岡は歴史のある街です。