高 砂 歌詞
<一番>
○所は高砂の 尾上の松も 年ふりて 老の波も より来るや 木の下かげに
落葉かくなるなるまでも 命永らえて なをいつまでもいきの松 それも久しき名所かな それも久しき名所かな


<二番>
○四海波静かにて 国を治むる時津風 枝もならさぬ 御代なれや 
あいに相生のまつこそ 目出度かりける げに仰ぎてもこともおろかや かかる世に 
住める民とて豊かなる 君が恵みぞありがたき 君が恵みぞありがたき


<三番>
○高砂や この浦舟に 帆をあげて 月もろともにいで汐の 
波の淡路の島影や 遠くなるほど 沖すぎて 早や住之江にぞ 着きにけり  早や住之江にぞ 着きにけり


(さん)替り唄 歌詞
○仲のナーよさよさ 兄弟仲の どちが姉やら 妹やら


玉の院の謡 歌詞
○玉の院 永き命を汲みてしる 心の底も曇りなき 月の桂の光そう
 枝を連ねて諸共に 朝夕なるや 玉の院 深き契りを結ぶ楽しみ


男蝶、女蝶 歌詞
○壱九の殿とナー お十七とナー お月夜に 背戸に出て 妻の約束 ショーガイノー

祝い唄 叶うた・目出度 歌詞
○叶うた叶うたよ 思うこと叶うた 家内揃って 恵比寿顔

○目出度目出度の 若松様は 枝も栄えて 葉も茂る

○目出度目出度が 三つ重なりて 鶴が御門に 巣をかけた

○鶴が御門に 何と言うてかけた お家繁昌と 言うてかけた

○ここのお背戸は 茗荷と蕗と 冥加栄えて 富貴ゃ繁昌

○出せよ大黒 囃せよ恵比寿 着いてまわれよ 福の神

○米のなる木で 草鞋を作り 踏めば小判の 跡が付く

○山の中でも 三軒家でも 住めば都だ 我が里だ

○嫁はにこにこ 夕げの支度 掻いた蚕繭に 月が差す

○ここの座敷は 花なら蕾 今日も咲け咲け(酒酒) 明日も咲け(酒)

○酒も肴も 頂戴したが 花が蕾で 恥ずかしい

○花の蕾は 承知で惚れた 今宵一夜で 咲かせます

○立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は 百合の花

○差すぞ盃 認めて差すぞ 脇へ散らすな 露ほども

○臼の軽さよ 相手の良さよ 相手変わるな 明日の夜も


祝い唄 (さん)替り 歌詞
○目出度目出度の 若松様は 枝も栄えて 葉も茂る

○朝日さすよな 息子を持てば 夕日さすよな 嫁が来る

○お前百まで わしゃ九十九まで ともに白髪の 生えるまで

○出せよ大黒 囃せよ恵比寿 着いてまわれよ 福の神

○さした盃 中見て上がれ 中にゃ鶴亀 五葉の松

千秋楽の謡 歌詞
○君と神との道すらは 都の春もいくべきと さお万歳の御身くる
 さすかい波には悪魔をはらい 治る天には旅をなせ 万歳楽には 命を偲ぶ
 愛の相生の松風の 颯々の声で楽しむ