<長野県上田市上武石上小寺尾>
宮下氏同族祭/
(現在は中止)

雄獅子 雄獅子 雌獅子

小県郡武石村上小寺尾の宮下姓の同族の氏神「シシ宮」の祭りに行われてきた。中世に、長田氏が名古屋・熱田神宮の分霊を頂き、市ノ瀬に定着した後、上小寺尾へ移した。一方、江戸時代、貞享4年(1687)に大工の長田某が上州へ出向いた時、その土地で悪病が流行っていたので、武石にあった踊念仏を教え、その疫病をしずめたという。その代償として、上州の獅子を覚えて帰村し、氏神の祭りに奏演したという。
長田氏はその後宮下に改姓したため、この獅子を「宮下獅子」と呼ぶようになったという。いずれにしても、地域の祭りというよりは同族の祭りといった性格で、珍しいものである。
雄獅子2頭は青、雌獅子1頭は白。その他に団扇を持った「ヘイオイ」が付いたという。戦後1度舞われたというが、現在は、獅子面を並べての祭りのみになってしまっている。