<長野県下伊那郡阿南町新野>
伊豆神社/豊作の年
の11月

阿南町新野は、言うまでもなく夏の盆踊りと冬の雪祭がよく知られている、芸能の吹きだまりのようなところです。

ここで、本当に豊作の年にしか実施されない「御鍬祭」を、1994年11月23日に訪ねました。前回は昭和58(1983)年に行ったといいますので、実に11年ぶり。

やはり新野にも御鍬様については、伝説があります。
伊勢を出た御鍬様の行列が浪合の関所の通行がうるさいということで、予定を変えて根羽から売木を経て、新野に来た。一の宮・諏訪社や仁善寺などで休んで、早稲田へ向かい、村の人たちも帯川の関所へ行くとやはり通行出来ず、困り果てて新野の庄屋に頼んで、一切の道具を置いていくことになった。更に村人は獅子舞や伊勢音頭などを教えてもらったという。

まつりは、神事が12:30、獅子舞13:00、もち投げ14:00という進行でした
午前中に準備が始まりましたが、そこでは伊豆神社の御殿で、雪祭と同じ《順の舞》が舞われていました。
そして12:30から拝殿で神事が行われました。

続いて獅子舞です。本来ならば、道中囃子で町中を練り歩くところを、今回は境内を回ることですませるとのこと。獅子は伊勢太神楽と同じく2人立ち。それが2組登場。始めに、鈴と幣束を持った「悪魔払い」からスタート。
そして、赤いタッツケ袴に白い鉢巻、手には木製の鍬を持ち振りながら練り歩く2人を先導にして、獅子とともに練り歩き、道行となります。最後はやはり獅子の「はらい」で終了となります。

その後、盛大に餅投げがあって祭りが終わりました(13:40頃)。