<静岡県周智郡森町飯田>
飯田山名神社/
7月15日に近い土〜日曜日


静岡県周智郡森町は、静岡県西部、太田川を中心に三方を山に囲まれた場所です。
有名な清水次郎長の子分・森の石松の墓がある大洞院も森町にあります。また、静岡を初めてたずねたわたくしにとっては、パーッと広がるお茶畑ももの珍しかった記憶があります。
わたくしにとって初めて訪ねた静岡の祭りが、山名神社天王祭舞楽です。

この森町には「三大舞楽」として、4月17・18日の小国神社舞楽、4月第1土日の天宮十二段舞楽、そして山名の舞楽があります。

伝承には、慶長11年(1606)に大阪天王寺から舞楽を伝えたといわれています。ただ、舞の実際を見ると、小国や天宮とはやや異なり、またいわゆる宮中や大社寺に伝えられる「舞楽」とはやや異質です。舞手は子どもによる「稚児舞楽」であり、また鶴や蟷螂などの作り物を被り、行われる機会も「天王祭」つまり「祇園」の祭であって、芸能の分類とすれば「風流」のようです。

天王祭は、屋台が町内を巡る中、神社では、昼頃に祭事が行われます。舞楽はその後、午後4:40〜9:00の予定で、土曜、日曜両日とも、神社境内の舞殿で舞われます。


演目 舞について
1  まくり 舞ではなく、音取り=楽合わせ。太鼓、大皮(鼓)、笛が使われている。
2  八初児の舞 2人舞。ばちを持ち、打つ真似をする。
3  神子の舞 1人舞。面を着ける。鈴と扇を持つ。
4  鶴の舞 2人舞。鶴の頭を被る。背には羽根をつけ、広げる。
5  獅子の舞 2人舞。先獅子、後獅子で一人立ち。
6  迦陵頻の舞 1人舞。面を着ける。鈴と扇を持つ。背には羽根をつける。
7  龍の舞 2人舞。龍頭をのせる。途中、柱に登り、逆さになって頭を振る。
8  蟷螂の舞 1人舞。とうろう=カマキリの作り物を被る。背には羽根をつける。
9  優填獅子 2人舞。獅子は少年、優填は大人。獅子は一人立ちで、優填は面を着け、赤い輪を持つ。
10 八初児の舞(半舞) 始めの八初児と同じで、半分舞う。
11 まくり 舞ではなく、音取り=楽合わせ。