<静岡県周智郡森町飯田> |
静岡県周智郡森町は、静岡県西部、太田川を中心に三方を山に囲まれた場所です。
有名な清水次郎長の子分・森の石松の墓がある大洞院も森町にあります。また、静岡を初めてたずねたわたくしにとっては、パーッと広がるお茶畑ももの珍しかった記憶があります。
わたくしにとって初めて訪ねた静岡の祭りが、山名神社天王祭舞楽です。
この森町には「三大舞楽」として、4月17・18日の小国神社舞楽、4月第1土日の天宮十二段舞楽、そして山名の舞楽があります。
伝承には、慶長11年(1606)に大阪天王寺から舞楽を伝えたといわれています。ただ、舞の実際を見ると、小国や天宮とはやや異なり、またいわゆる宮中や大社寺に伝えられる「舞楽」とはやや異質です。舞手は子どもによる「稚児舞楽」であり、また鶴や蟷螂などの作り物を被り、行われる機会も「天王祭」つまり「祇園」の祭であって、芸能の分類とすれば「風流」のようです。
天王祭は、屋台が町内を巡る中、神社では、昼頃に祭事が行われます。舞楽はその後、午後4:40〜9:00の予定で、土曜、日曜両日とも、神社境内の舞殿で舞われます。
演目 | 舞について |
1 まくり | 舞ではなく、音取り=楽合わせ。太鼓、大皮(鼓)、笛が使われている。 |
2 八初児の舞 | 2人舞。ばちを持ち、打つ真似をする。 |
3 神子の舞 | 1人舞。面を着ける。鈴と扇を持つ。 |
4 鶴の舞 | 2人舞。鶴の頭を被る。背には羽根をつけ、広げる。 |
5 獅子の舞 | 2人舞。先獅子、後獅子で一人立ち。 |
6 迦陵頻の舞 | 1人舞。面を着ける。鈴と扇を持つ。背には羽根をつける。 |
7 龍の舞 | 2人舞。龍頭をのせる。途中、柱に登り、逆さになって頭を振る。 |
8 蟷螂の舞 | 1人舞。とうろう=カマキリの作り物を被る。背には羽根をつける。 |
9 優填獅子 | 2人舞。獅子は少年、優填は大人。獅子は一人立ちで、優填は面を着け、赤い輪を持つ。 |
10 八初児の舞(半舞) | 始めの八初児と同じで、半分舞う。 |
11 まくり | 舞ではなく、音取り=楽合わせ。 |