<長野県飯田市風折的場稲荷神社>
旧暦2月初午に近い日曜日(3月上旬)/正午〜

風折は、上村の中心地上町から国道を北上し、「万場」バス停から急坂を上ったところにあります。ここの産土神が的場稲荷神社です。「的場」の地名は、この地の領主・遠山土佐守が駿府に上る途中、この地で弓遊びをしたところという伝承によるといいます。

旧暦2月の初午祭が、現在では3月に行われています。祭りは正午から、「座揃い」に始まり、「本神楽」「舞」の奉納になります。

「座揃い」は直会でしょうか。
本神楽は、「霜月祭」の《大宮清め》のような「神楽歌」を歌ったり、「産土の舞」のような白装束に鈴、扇を手に持った舞があったりして、ほとんど「霜月祭」の雰囲気です。

「舞」は、まず的場稲荷神社の祭神、稲荷が登場。現在上町に保管され、上町の霜月祭の中にも「稲荷」の舞としても行われています。

次は、大黒天蚕玉様の舞。大変大ぶりの大黒様は楽しげに舞い、女性の蚕玉様はしずしずと舞います。音楽は「伊勢音頭」になります。

なお、わたくしが訪ねた1994年は、たまたま的場稲荷神社の鳥居の新築のため、御殿入りという神幸祭が行われました。午前10:00に、「風折老人集会施設」で一舞あり、神社へ行道します。鳥居をくぐり、やはり拝殿前でも一舞いありました。「稲荷」の舞では、やはり霜月祭と同様に、「ヨーッセ!」と飛び跳ねていました。