総振り<じゃんかじゃんか>

氷見市十二町の獅子舞は、氷見の獅子舞の起源と言われています。氷見系の獅子舞の伝承は十二町だという語られてきたようですし、各地の氷見系の獅子舞にある《キョウブリ(京振り)》という舞を覚えるときに、
○十二町のお獅子は 何で舞わいた 太鼓とチンチキリンと 笛で舞わいた
と唱えられるのだそうですが、この《キョウブリ》のことを《ジンチョウ》と呼ぶことがあるようです。
十二町は、坂津、島沖崎、津野荒館、矢崎、清水の5地区。ちなみに旧十二町村というと、万尾、川尻、海津、下久津呂、上下津久呂、粟原、中谷内、西朴木 だそうです。

4月第3土曜日の午後1:00頃から、大宮と呼ばれる津野の日宮神社に5地区が集まります。この神社は集落の奥で、坂道の上にあります。各地区の太鼓台は人力で引き上げられ、鳥居前で、地元である津荒青年団に迎えられながら、宮入りし、拝殿前に揃います。

 ◆境内に入る太鼓台(島沖崎)◆ ◆5地区の太鼓台が揃った日宮神社拝殿前◆

午後2:00頃から、拝殿内で神職による祭典が執行されます。その間、それぞれの青年団は、休憩を取りながら、獅子舞の準備を始めます。 それぞれの青年団の舞が奏演された後に、5頭の総振りが拝殿前で行われます。これを《じゃんかじゃんか》といいます。各地区の青年団長が拝殿前に整列すると、相対するように、5地区の獅子が縦に並び、同時に舞われます。演目は《ヒトアシ》《フタアシ》。

 ◆日宮神社拝殿前での総振り<じゃんかじゃんか> (2008年4月19日)

日宮神社の演舞でのあと、神社を下り、神主宅へ行きます。その後、2006年度から開催されるようになった「十二町獅子舞フェスティバル」の会場である「十二町潟水郷公園」へ移動します。かつては神主宅の前庭や大鳥居の前で<じゃんかじゃんか>、獅子が一斉に歯を鳴らす<おしゃしゃのしゃん>が行われて、各地区へ戻り、「旦那はん」宅で十八番を舞ったあと、村廻しで、一軒一軒廻ったのだそうです。

「十二町獅子舞フェスティバル」は5地区が集まった4:20頃から始まります。ここでは、来賓挨拶や青年団長の挨拶などの後、日宮神社で行われたように、各青年団ごとの十八番の舞が披露、その後<じゃんかじゃんか><おしゃしゃのしゃん>が行われます。すべて終了した午後6:00頃から、村廻しとなります。

◆日宮神社を下る各青年団◆ ◆十二町獅子舞フェスティバルでの<じゃんかじゃんか>◆

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