石川県羽咋市神子原町/八幡神社/9月敬老の日の前日(第3日曜日) 

石川県も能登の入り口・羽咋市は、能登半島の西部に位置し、宝達丘陵の碁石ケ岳を挟んで富山県氷見市に接しています。市内には50ヶ所以上の獅子舞の伝承があるそうです。神子原は羽咋市の東部、飯山川をさかのぼる、富山県氷見市へ向かう国道415号線沿いの山間部。この鎮守・八幡神社の秋季祭礼に獅子舞が奏演されています。

元来、神子原町の秋祭りは9月15日でしたが、現在は9月第3日曜日に移行されています

大獅子が2頭出され、天狗もともに舞います。獅子頭は大振りの赤いものです。獅子の系統としては、越中獅子とされ、氷見系の獅子舞です。峠を越えた富山県氷見市の熊無、論田といった地区の獅子舞を伝承したものといい、独特な真っ赤一色のカヤが残されています。使われる楽器は、笛(縦笛)、太鼓、鉦です。「獅子殺し」等、笛の入らない演目もあります。

まつりでは、午前中に八幡神社での祭典の後、宮下りとなって、地区内を廻っていきます。その時には、六角形の大きな神輿の先導で、壮年団がまわす獅子がまわります。途中、爆竹を鳴らしたり、ドラゴンなどの花火を使ったりして賑やかしていきます。また、各宿に入るときには、「ジジ」と「ババ」という露払い役が出ます。なお、この2面は、明治期の神仏分離令の際に、石動山から伝わったものといいます。

宿では「花」がよばれ、それぞれ特徴的な舞が続けられていきます。最後は八幡神社の神前に到着すると、「宮上り」で華やかな花火と共に境内に向かいます。夜10:00頃の予定で「獅子殺し」が行われます(ただ、いつも日付が変わるころになるようです)。「獅子殺し」では、天狗の細かい動き、斬られた獅子の激しくもだえる動きなど、ダイナミックな舞です。

<宿での舞>
2011年9月18日、羽咋市神子原各所にて

<獅子殺し>
2007年9月16日、羽咋市神子原各所にて