富山県氷見市森寺/愛宕神社/4月第2土曜日

氷見市は富山県西部、石川県に接する海沿いの町。獅子舞の多い富山県でも特に数多くの伝承があり、110ヶ所を越えるといいます。まさに「獅子の里」です。それぞれ独自の形式をもっていますが、基本的に胴幕に何人かの人が入る「百足獅子」、シシトリは採り物によって激しく舞う天狗というスタイルが「氷見獅子」と呼ばれます。氷見から各地へ伝承していって、広まっていったようです。

森寺は氷見市でも七尾市へ向かう北部の地。阿尾から山間部に行っていくと広がる山村の風景が広がります。かつて、能登守護畠山氏の居城・森寺城(湯山城)があったといいます。越中進出の拠点として築かれたといい、古い歴史を残します。

愛宕神社の春祭りに奏演される獅子舞は、森寺青年団によって舞われます。赤く大きな獅子頭、元気な天狗が舞います。また天狗の赤地の上着が目に付きます。わたくしが訪れたのは2007年と2009年の春祭り。村廻りと宿での舞を見ることができました。特徴的なのは、大きな花のときの「カイチュウクズシ」や「獅子殺し」といった演目のときの大天狗が黒塗りです。地元の商店の方により作られたものだといい、森寺オリジナルだそうです。何とも怪しげな雰囲気が醸し出されます。

2009年4月11日、氷見市森寺区内
2007年4月14日、氷見市森寺区内