石川県羽咋郡志賀町二所宮/諸岡比古神社/9月第3土曜日

志賀町は能登のほぼ中ほどで、外浦にあたり日本海に面し、東部は眉丈山系が続いています。町内には集落ごとに数々の獅子舞が伝承されています。氷見系の大獅子と能登系の小獅子をもっている地区が多いようです。二所宮地区は、志賀町でも羽咋寄りの場所で、田園が広がる場所です。歴史も古く、車塚古墳群等の遺跡を残します。その鎮守・諸岡比古神社の秋祭りに獅子舞が舞われます。

元来、二所宮の秋祭りは9月17日でしたが、現在は9月第日土曜日に移行されています。

系統は氷見系の越中獅子で、富山県氷見市論田からの伝承だそうです。宝珠をいただく赤塗りの大型の獅子頭、長めのカヤ(胴幕)に数名が入る百足獅子です。鼻高面の天狗は、上下薄青い装束ですが、第一印象が狩衣のような感じで、エビスのような雰囲気を感じさせます。

伝えられている古い鉦には、享保18(1733)年の銘があるといい、古くからの伝承されているようです。

地区上げての秋祭りには、地区の人々が楽しみに集まります。「獅子殺し」は盛大に行われています。獅子が討たれるとき、首に太刀が突き刺される所作などは、大変リアルでした。また、舞の見せ場においては、観客が準備しておいた紙吹雪が、パーッとまかれます。「獅子殺し」の行われた仄暗い神社境内では、その紙吹雪が大変幻想的な感じに見えました。

2007年9月15日、羽咋郡志賀町二所宮地区内、各所