富山県射水市六渡寺/
春祭:5月14日  秋祭:10月6日 

◆夜、巡行する屋台◆
【演目】
トロロ舞 八節キリコ舞 鈴ガラ舞 肩車舞 餅つき舞い
 棒の蓬莱舞 呼出し舞 キョーロロ舞 マッタマタ舞 蓬莱舞 唐傘舞 一足舞 二足舞 大くずし舞 バイナラシ舞 宮参り舞 
道中囃子 トグロ巻き餅つき舞 オーナンナンナン 夜叟振り舞 
※現在舞われていないもの
 ミソシル サン崩し 剣取り舞

射水市の庄川の河口港として開けたこの六渡寺地区は、庄川右岸に位置します。対岸は高岡市伏木であり、渡船場としてもよく知られたところです。毎年5月14日の日枝神社の春祭りでは、盛大に演じられています。歴史としては、明治35年の庄川大改修、昭和3年の伏木港拡張工事によって戸数も減り、獅子も統合したのが、現在の形式であるといいます。

子頭は黒塗りで、胴幕は紺地に牡丹をあしらったカラフルなものです。なお獅子頭については、古い物が残されているそうです。

獅子あやしとしては、周辺のものと同様に、大中小の天狗、キリコ等が出ます。また道化役のヒョットコは、僧衣をまとい、大きな数珠を
首から提げる扮装で、念仏系芸能、あるいは修験道系の雰囲気を醸し出します。
「とやまの民俗芸能」にも、火渡り
を行うことから不動明王信仰との関連が指摘されていますが、そういった古い民間宗教の影響を残しているのかもしれません。

楽器は篠笛と太鼓。氷見系の囃子の曲があるということもあって鉦が入ります。篠笛は屋台とともに進みながら、周辺で演奏されます。太鼓は鋲留めの大太鼓で、それを縦に置き、三人で打ち合います。一人が一定の刻みを入れ、もう一方が独特のシンコペーションのリズムを打ち、もう一人は枠を打っていたように見えました。また、放生津の獅子舞よりも「イヤサーイヤサー」の掛け声が常に聞こえており、放生津あたりとはやはり雰囲気が少し異なります。

新湊 六渡寺獅子舞囃子
1 道中囃子  2 蓬莱(ホーラホラ)  3 宮参り・御神楽  4 八つ節  5 花口上  6 一足  7 肩車  8 どんどこ・鈴柄  9 トーロロ・二足  10 道中囃子・大クズシ  11バイガエシ・ミソシル  12 宮づくし  13 キョーロロ  14 道中囃子・餅つき  15 夜叟振り   
六渡寺獅子舞による囃子の演奏CD。臨場感のある演奏。

5月14日の春祭は、朝7:00に六渡寺の日枝神社で参拝、御祓いの式があって、その後宮参りの舞をしてから、町内を廻っていき、11:00頃で午前の部が終わります。

昼休みを挟んで、午後は1:00から公民館を出て、六渡寺の大寺の境内の天満宮で宮参りの舞を演じてから、午後の部が始まり、ふたたび町内を巡行し、夕刻まで舞い続けられます。

夜には、新築、結婚など祝い事のあったお宅で、「祝花」として獅子方が出向き、舞われます。ここでの舞が、夜の闇の中で、松明を振る所作もあり、荒々しさの中にも幻想的な雰囲気が醸し出されます。

わたくしは、春祭の昼の部は見ることができず、夜の「祝花」での「夜叟振(ヨソブリ)舞」しか見られませんでした。大変ダイナミックで、また迫力もあり、大変感動の多い獅子舞でした。また、まつり本来の姿を見たような気がしました。






2005年5月14日、射水市六渡寺地区、祝花のお宅の前て
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