石川県羽咋郡宝達志水町杉野屋/天満宮/9月第3日曜日

能登半島の西部、能登の入口、羽咋郡宝達志水町は、獅子舞の多いところ。杉野屋地区は旧志雄町で、七尾方面へ向かう国道159号線=七尾街道沿いの地区です。その杉野屋天満宮の秋祭りに、杉野屋青年団による獅子舞が行われています。

系統は小獅子、大獅子が出る能登獅子です。大型の獅子頭、長めのカヤ(胴幕)に数名が入る百足獅子のタイプです。天狗の烏帽子は、天満宮の神紋・梅鉢が描かれたもので、他地区よりも大きく目を見張ります。また、普通の鼻高面の天狗と、鼻がやや下向きで、ちょうど富山の下新川系獅子に出る雰囲気の天狗の2人が出ていました。

地区上げての秋祭りには、地区の人々が楽しみに集まります。家々を廻っていく「獅子殺し」は天満宮境内ではなく、観音堂前で行われます。そして、天満宮の鳥居前に到着すると、一つ舞ったあと、宮上がりになります。このとき、花火が打ち上げられ、拝殿に続く石段の両脇にはナイヤガラが仕掛けられます。そして、点火された花火のしたたる火花の中を、細くカヤを絞った獅子が上っていきます。鳥居脇の松明も点火されると、あたりは炎の饗宴といった様相になります。拝殿前に着くと、獅子方は騎馬のように胴を上げ、拝殿を3周して、まつりが終わります。

2007年9月16日、羽咋郡宝達志水町杉野屋地区内、各所