信濃追分 歌詞
(アキタホイ)
○浅間根越しの(アキタホイ) 焼野の中でヨー(アキタホイホイ) 
  あやめ(アキタホイ) 咲くとは(アキタホイ) しおらしや(アキタホイ)
 
                   ※ 以下唄ばやし同じ。 <長ばやし>は別記の通りで、各唄につく。

○小諸出てみろ 浅間の山にヨー 今朝も煙が 三筋立つ

○碓氷峠の あの石車ヨー 誰を待つやら くるくると

○浅間山さん なぜ焼けしゃんすヨー 裾に三宿(追分) 持ちながら

○追分 枡形の茶屋でヨー ホロと泣いたが 忘らりょか

○吹き飛ばす石も 浅間の野分けと詠んでヨー 芭蕉翁は 江戸へ去る

○一に追分 二に軽井沢ヨー 三に坂本 ままならぬ

○あのや追分 沼やら田やらヨー 行くに行かれず 一足も

○浅間山では わしゃないけれどヨー 胸に煙が 絶えやせぬ

○追分一丁二丁 三丁四丁五丁ある宿でヨー 中の三丁目が ままならぬ

○高砂の こいを聞かねば 日陰の妻ヨー 早く聞きたい 四海波

○右は更科 左は吉野ヨー 月と花との ここが追分

○更科の 月は田毎に映るといえどヨー 私ゃ外へは 移りゃせぬ

○碓氷峠の 権現様はヨー 主のためには 守り神

○あの山木陰の わしゃほととぎすヨー 人こそ知らねど 鳴き明かす

○七里八里の 恋路を踏んでヨー 衣紋繕う 笑い坂

○送りましょうか 送られましょか せめて桝形の 茶屋までも

○離れ離れの 村雲さえもヨー 逢いは口説(くぜつ)の 雨が降る

○さらばと言う間に はや森の陰ヨー かすかに見ゆるは 菅の笠

○苦労する墨 身は細筆ヨー 命ゃお前に かけ硯

○さぞやさぞさぞ さぞ今頃はヨー さぞや焦がれて いるであろ

○西は追分 東は関所ヨー 関所越えれば 旅の空

○西は追分 東は関所ヨー せめて峠の 茶屋までも

○人が言うなら 言わせておきなヨー 屋根に降る雪 胸でとく

○浅間押せ押せ 六里ケ原をヨー 押せば追分 近くなる

○月も届かぬ 柳のかげにヨー もるる蛍の ともあかり

○浅間山から 追分見ればヨー 桃や桜の 花盛り

○煙ふいて 千歳(ちとせ)百歳 ひるまぬ意気がヨー ゆかし尊し 浅間山

○枝は折るまい 折らせもすまいヨー 心置きなく 行かしゃんせ

○浅間山から 出てくる水はヨー 雨も降らぬに ささ濁り

○宵は月にも 紛れてすむがヨー 更ける鐘には 袖絞る

○君の心は 田毎の月ヨー どこに誠が 照らすやら

○雪に叩かれ 嵐にもまれヨー 苦労して咲く 寒椿

○色の道にも 追分あらばヨー こんな迷いは せまいもの

○私ゃ野に咲く 一重の桜ヨー 八重に咲く気は 更にない

○嘘も誠も 売る身の勤めヨー そこが買い手の 上手下手

○まとまるものなら まとめて欲しいヨー 思いは同じ 恋の道

○神代この方 変わらぬものはヨー 水の流れと 恋の道

○なるとならぬは 目元で知れるヨー 今朝の目元は なる目元

○四書を読め読め 追分通えヨー 曰くは格子(孔子)の 中にある

○早く逢いたい お顔が見たいヨー 話聞きたい 聞かせたい

○苦労させたり しもするからはヨー 末にゃ兎(と)や斯(こ)う 言わしゃせぬ

○逢うて戻れば 千里も一里ヨー 逢わで戻れば また千里

○離れ離れの あの雲見ればヨー 明日の別れが 思われる

○朝咲いて 四つにしおるる 朝顔さえもヨー 思い思いの 花が咲く

○鳥ならば 近き森にと 巣を掛け置いてヨー 焦がれて鳴く声 聞かせたい

○何とぞ何とぞ 叶わせ給えヨー お礼参りは 二人連れ

○浅間の煙に 文ことづけてヨー 主のお庭へ 落としたい

○信濃追分 ラヂオにかけてヨー 広く世間に 聞かせたい

○浅間根腰の あやめが今はヨー 飯縄下町で 花盛り

○浅間の煙と 追分節はヨー 千代を契りて 絶えはせぬ

○石に立つ矢の 例えもあるにヨー 思い切るとは 気が弱い

○浅間颪の 北風よりもヨー 主の一言 身にしみる

○佐久の夕暮れ どこから暮れるヨー 桑摘み乙女の 手元から

○昼はしおれて 夜にはなおるヨー 千曲河原の 月見草

○馬に横乗り 浅間を眺めヨー 草刈りつらい 目に涙

○浅間山から 坂本見ればヨー 女郎が化粧して 客を待つ

○西は追分 東は関所ヨー 関所越ゆれば 旅の空

○西は追分 東は関所ヨー せめて峠の 茶屋までも

○送りましょうか 送られましょかヨー せめて峠の 茶屋までも

○さらし手拭い ちょいと肩にかけヨー 悪所通いも 粋なもの

○浅間山から 鬼ゃ出たものをヨー 今は世が世で 鬼が出る

○心よくても 追分女郎衆ヨー 浅間山から 鬼が出る

○一夜五両でも 妻持ちゃ嫌やだヨー 妻の思いが 恐ろしや

○浅間山から 鬼ゃけつ出してヨー 鎌でかっ切るような 屁をたれた

○追分(三丁目の)油屋の 掛け行燈にヨー 浮気御免と 書いてある

○追分宿の 掛け行燈にヨー 浮気御免と 書いちゃない

○追分宿の 掛け行燈にヨー 冷やかし御免と 書いてある

○五里も六里も 山坂越えてヨー 逢いに来たもの 帰さりょか

○浅間山から 飛んできた鴉ヨー 金もないのに かうかうと

○浅間根越の 小砂利の桔梗ヨー 花は咲けども 実はならぬ

○小諸出ぬけりゃ 四ッ谷の清水ヨー 飲んで追分 一駆けに

○坂木照る照る 追分曇るヨー 花の松代 雨が降る

○様の来ぬ夜は 雲場の草でヨー 刈る人もなし 一人寝る


<長ばやし>
●来たよで戸が鳴る 出てみりゃ風だよ オーサドンドン

●来たよで来ぬよで 面影立つよで オーサドンドン

●行くよで来るよで 面影さすよだ オーサドンドン

●山ある川ある お前さんに気がある たにしがどんとある オーサドンドン

●ハッサキ砂山 下駄はいてヨジヨジ オーサドンドン

追分馬子唄 歌詞
○追分桝形の エー茶屋でヨー ホロと鳴いたが アリャ忘らりょか(ハイーハイー)

○浅間山さん エーなぜ焼け エーしゃんすヨー 裾に三宿 エー持ちながらヨー(ハイーハイー)

○小諸出てみりゃ エー浅間の エー山にヨー 今朝も煙が エー三筋立つ(ハイーハイー)

○碓氷峠の エー権現 エー様は 主のためには エー守り神(ハイーハイー)

○浅間山では エーわしゃない エーけれど 胸に煙りが エー絶えやせぬ(ハイーハイー)

○浅間根越の エー小砂利の エー中で あやめ咲くとは エーしおらしや

○西は追分 エー東は エー関所ヨー 関所越ゆれば エー旅の空(ハイーハイー)


正調信濃追分 (長尾 真陽 採譜・編曲) 歌詞
○(アキタホイ)
浅間山さん(サホイ) エなぜ焼けしゃんすヨー(アキタホイ) 裾に エ三宿(サホイ) 持ちながら
 「ハ 来たよで戸が鳴る 出てみりゃ風だよ オーサソーダソーダ」

○(アキタホイ)
右は更科(サホイ) エ左は吉野ヨー(アキタホイ) 月と エ花との(サホイ) ここが追分
 「ハ 行くよで来るよで 面影さすよだ オーサソーダソーダ」

○(アキタホイ)
追分桝形の(サホイ) エ茶屋でヨー(アキタホイ) ホロと エ泣いたが(サホイ) 忘らりょか
 「ハ 来たよで戸が鳴る 出てみりゃ風だよ オーサソーダソーダ」

○(アキタホイ)
さらばと云う間に(サホイ) エはや森の陰ヨー(アキタホイ) かすかに エ見ゆるは(サホイ) 菅の笠
 「ハ 行くよで来るよで 面影さすよだ オーサソーダソーダ」

○(アキタホイ)
小室出て見よ(サホイ) エ浅間の山にヨー(アキタホイ) 今朝も エ三筋の(サホイ) 煙立つ
 「ハ八坂砂山 下駄はいてヨジヨジ オーサソーダソーダ」