しげさ節 歌詞
<元唄>
○しげさしげさと 声がする しげさ しげさの御開帳 山坂越えても 参りとや


○しげさしげさと 皆が呼ぶ しげさ しげさは五箇の荘 山里越えて 逢いに行く
 
<阿部 勝 作詞>
○旅の情けに ほだされて 島に 泊まりを重ねりゃ いつしか覚える しげさ節


○隠岐は絵の島 花の島 磯にゃ 波の花咲く 里にゃ人情の 花が咲く


<吉田 竜男 作詞>
○忘れしゃんすな 西郷の港 みなとの灯影が 主さん恋しと 泣いている

○忘れしゃんすな 隠岐の島 島のしげさの踊りに 牛突きどっさり 島娘

○にっこり笑うて送り出し 消ゆる 後ろ姿に 思わず泣き伏す 乱れ髪

○愛宕おろしの 吹く夜さは いとし 様の帰りを 浜に出て待つ 二度三度

○障子一重に 主さんの 恋しお声はすれども 行ってよいやら 悪いやら

○内証内証でしたことが いつか内証内証で 誰にも知れてる 内証ごと

○鳥はちょいと来て ちょと留まる 主は焦がれて待つのに たまにちょいと着て 泊りゃせぬ


○船は出て行く 波止場には いとし 島の娘が 涙で唄う しげさ節

○遠い昔を 今もなお 忍ぶ 後鳥羽 後醍醐 歴史に残る 隠岐ノ島

○名残り尽きぬに ドラが鳴る 船のテープは 切れても 胸の想いは 切れやせぬ

○蝶や蜻蛉やきりぎりす お山 お山さんで泣くのは 鈴虫 松虫 くつわ虫

○夕べ夢見た 目出度い夢を 白髪 白髪の鼠が 黄金のお山を 曳くを見た

○夕べ来たのは猫じゃと いわしゃったが 猫が下駄はいて 笠さして筑前絞りに 浴衣着て 来りゃすまい

○桶屋の嫁ごにゃ わしゃならの 今朝も 肥箍 輪を掛け その手も洗わず まま食った

○橋の向こうで チョイト出会て 話せ 話せよ話せよ 心にあること 皆話せ

○精進だよ精進だよ 何が精進だ 今朝も 托鉢戻りに 鮑に酢貝食うて これでも精進か

○寝顔ながめて一雫 こうも 愛しいお方に どうして妻顔が あるのやら

○忍び逢瀬も 今日限り 明日は 明日は出船よ いつまたこうして 逢えるやら

どっさり節 歌詞
○お客望みなら ヤレ出して見ましょ 当世流行の広大寺を サァーノーエー
 唄にコレワイドージャナー 不調法のナァー チョイトわしなれど サァーノーエー

○忍び出よとすりゃ からすめがつける まだ夜も明けぬにガオガオと サァーノーエー
 憎やコレワイドージャナー 八幡のナァー チョイト森がらす サァーノーエー

○新保広大寺 お市見る目元 七つ筬より八つ筬よりも サァーノーエー
 十よみコレワイドージャナー 筬よりナァー チョイトまだ細い(こまい) サァーノーエー

○朝な夕なに 便りを待てど 磯辺の松の音ばかり サァーノーエー
 狂うコレワイドージャナー この身はナァー チョイト何としょう サァーノーエー

○わしが兄弟 七人ござる 京や大坂江戸伏見 サァーノーエー
 妹がコレワイドージャナー 長崎ナァー チョイトわしゃここに サァーノーエー

○京の新町で 桐の箱拾うて 開けてみたれば扇の地紙 サァーノーエー
 先がコレワイドージャナー 開いてナァー チョイト末繁昌 先

○昔偲べば 涙でうるむ 朧月夜に海士の里 サァーノーエー
 ふいごコレワイドージャナー 吹き吹きナァー チョイト刀鍛冶 サァーノーエー

○島が細いとて(小さいとて) 馬鹿にはするな ここは都の跡じゃもの サァーノーエー
  蛙コレワイドージャナー 鳴く声ナァー チョイト松の音 サァーノーエー 

○大山お山から 隠岐の国見れば 島が四島に大満寺 サァーノーエー
  中のコレワイドージャナー 小島にナァー チョイト長者ある サァーノーエー 


○叶うた叶うたや 思うこと叶うた 鶴が御門に巣を懸けた サァーノーエー
  お家コレワイドージャナー ご繁昌とナァー チョイト巣を懸けた サァーノーエー 


○隠岐の名物 いろいろあれど するめ材木馬と牛 サァーノーエー
  牛のコレワイドージャナー 角力にナァー チョイトどっさり節 サァーノーエー
 


隠岐祝い音頭 歌詞
<近藤 武 作詞>
○今日はナァー 可愛いナァー 我が子の門出 アーリャナーコラナー
 酒を注ぐ手もナァー ヤンサ ふるえがち
(ササ ヤートコセーノヨーイヤナー ハアリャナーコレワイナー隠岐ナンデモセー)    
※以下、唄ばやし同じ
  
○踊れナァー 歌えやナァー 隠岐祝い唄 アーリャナーコラナー 今日は目出度いナァー ヤンサ この座敷

○嫁御ナァー 来たかとナァー 笑顔で迎え アーリャナーコラナー  この家若代にナァー ヤンサ まかせたい



○伊勢へナァー 七度ナァー 熊野へ三度 アーリャナーコラナー 愛宕さんにはナァー ヤンサ 月参り

○お伊勢ナァー 参りにナァー この子が出来て アーリャナーコラナー この子伊勢丸ナァー ヤンサ お伊勢丸

○飲めやナァー 大黒ナァー 歌えや恵比寿 アーリャーコラナー  中の酌取りゃナァー ヤンサ 弁財天

○届けナァー 届けよナァー 末まで届け アーリャナーコラナー 末は鶴亀ナァー ヤンサ 五葉の松



隠岐追分 歌詞
【旧節】
○沖じゃ寒かろ 着て行かしゃんせヨー (ハキタサノサッサ キタサノサッサ または キタサイ コラサイ)
  わしの部屋着の この小袖(ハキタサノサッサ キタサノサッサ または キタサイ コラサイ)
          
                                              ※以下、唄ばやし同じ

○旅で妻持ちゃ 夜明けが辛いヨー 鳥もホロホロ われも泣く

○月の丸さと 恋路の道はヨー 江戸も田舎も 変わりゃせぬ


【新節】

○沖じゃ寒かろ 着て行かしゃんせヨー  わしの部屋着の この小袖

○母がきかせた 幼い頃にヨー 習い覚えた 隠岐追分

○風が出たのか 雨戸が騒ぐヨー 沖の主さん 気にかかる

○海士の追分 珍崎焼香場(しょこば)ヨー 知夫里どっさり ならば良い(来い)

○情け懸け橋 手に手を取りて 渡りゃ世の中 真ん丸に

○飲めよ騒げよ 上下戸なしに 嬉し目出度の 酒じゃもの

○着けておくれよ 上りの節は 港入らにゃ 口までも

○隠岐の名物 どっさり積んで 唄を流して 船は行く

○今宵一夜は 浦島太郎 あけて悔しや 玉手箱

○千代にさざれ石 巌となりて 苔のむすまで 君の代は

○酒も飲まずに 酒屋の角で 足がもつれて 恥ずかしや


<近藤 武 作詞>

○風が出たのか 雨戸が騒ぐ 沖の主さん 気にかかる

○一人待つ身の 寂しい想い 主は今宵も 沖泊り


【五文字冠り】
横山弥四郎 作詞
○元寇の昔偲ぶか 黒木の御所にヨー 波が寄せます ざわざわと 

○元日や 松の間(あい)から 夜はほのぼのと 笑い顔する 福の神

<唄ばやし>
●座頭に(あの娘に)花やれ 椿の花でも

●十日も二十日も 時化込めドッサリ


隠岐磯節 歌詞
○磯で名所は 大洗様よ(ハーキタサイショネ) 松が見えます イソほのぼのと 
  松が見えます(アヨイショ) 松が見えます イソほのぼのと(ハーキタサイショネ)    


○聞いて下さい 隠岐磯節を(ハーキタサイショネ) 隠岐に来てから 幾とせか 
  歌いはやされ(アヨイショ)
 持てはやされて 恥ずかしい(ハーキタサイショネ)

○隠岐の名所は 島前国賀(ハーキタサイショネ) 島後白島 浄土ヶ浦よ
  明屋海岸(アヨイショ) 知夫里(ちぶり)赤かべ 五箇村ローソク岩よ(ハーキタサイショネ)


○まだもあるぞえ 池田の国分寺(ハーキタサイショネ) 海士(あま)の隠岐神社に 別府黒木御所
  都万目(つばめ)あごなし(アヨイショ) 五箇の明神 下西総社(ハーキタサイショネ)

○さした盃 とどめておくれ(ハーキタサイショネ) 遠慮会釈をするじゃない 
  蛙じゃないけど(アヨイショ) 私ゃゲコゲコ 下戸じゃもの(ハーキタサイショネ)

○磯で名所は 津戸より蛸木(たくぎ)(ハーキタサイショネ) 加茂に箕浦(みのうら) 岸浜今津
  黒島(くるしま)回れば(アヨイショ) 恋し懐かし 西郷の港(ハーキタサイショネ)

○写真片手に つくづく眺め(ハーキタサイショネ) 器量や姿に 変わりはないが
  もしや貴方に(アヨイショ) 変わりないかと 目に持つ涙(ハーキタサイショネ)

○器量よいよて 権高ぶるな(ハーキタサイショネ) 千里奥山に 咲いたる花でさえ
  火とが採らなきゃ(アヨイショ) 咲いたまま咲いたまま 散るのじゃないか(ハーキタサイショネ)

○今宵来るかと 土手にて待てど(ハーキタサイショネ) 月はおぼろよ 日はくれないの
  川原よもぎが(アヨイショ) 川原よもぎが 手招くばかり(ハーキタサイショネ)

○鮎は瀬に住む 鳥木の枝に(ハーキタサイショネ) 日とは情けの アノ下に住む
  根のない浮き草(アヨイショ) 蛍に一夜の 宿をかす(ハーキタサイショネ)

○長い八重坂 山吹花は(ハーキタサイショネ) 花は咲かねど実のなるじくよ
  花は咲いても(アヨイショ) 実のならないのが 山吹の花(ハーキタサイショネ)

○松江ちょいと出て またたいやに(ハーキタサイショネ) あらしま安来 米子五島におおしのず栄え
  栄えよいと出て(アヨイショ) 出雲で名高い アノ夫婦関(ハーキタサイショネ)

○あじがもってきた みたいのはうた(ハーキタサイショネ) たしか文句は アノ明烏
  はかない恋路は(アヨイショ) われわれ二人じゃないそうな(ハーキタサイショネ)

○話ゃやめにして 唄おうじゃないか(ハーキタサイショネ) 話ゃ口説の アラ元となる
  話ゃ口説の(アヨイショ) 話ゃ口説の アラ元となる(ハーキタサイショネ)

○好きなお方に 盃さされ(ハーキタサイショネ) 飲んでよいやら アラ悪いやら
  飲まぬ先から(アヨイショ) 顔はほんのり アラ桜色(ハーキタサイショネ)

○私ゃ柿の性で 実は渋けれど(ハーキタサイショネ) 一夜あわせりゃ 甘くもなるに
  何故に貴方は(アヨイショ) 渋い顔して 逃げたじゃないか(ハーキタサイショネ)

○度胸定めて 奥山住まい(ハーキタサイショネ) 恋も悋気(りんき)も 忘れていたに
  鹿の鳴く声(アヨイショ) 聞けば昔が 恋しゅうてならぬ(ハーキタサイショネ)

○竹に雀は 品よくとまる(ハーキタサイショネ)流れ小川は 堰すりゃとまる
  止めて止まらぬ(アヨイショ) 三千世界の 色恋の路(ハーキタサイショネ)

○大胆不敵な 女じゃないか(ハーキタサイショネ) 陰でけなして 目先で惚れて

 
又もその手で(アヨイショ) だます心が アノ恐ろしや(ハーキタサイショネ)

○空飛ぶ蜂をば 一寸呼びとめて(ハーキタサイショネ)貴方さす気か ささぬ気か
  さすもささぬも(アヨイショ) お手の出し様じゃ さすかも知れぬ(ハーキタサイショネ)

○月に群雲 花には嵐(ハーキタサイショネ)主に浮気の 癖さえなけりゃ
  私しゃどんなに(アヨイショ) 嬉しかろうと 目にもつ涙(ハーキタサイショネ)

○婿に行くなら 財産持ちに(ハーキタサイショネ) 嫁にとるなら 十七八よ
  抱いて寝るなら(アヨイショ) 三十四か五か 六 七 八よ(ハーキタサイショネ)

○一も二もない 私が悪い(ハーキタサイショネ) あの時貴方に 会いさえせねば
  こんな苦労は(アヨイショ) しもせにゃ貴方に アノさせもせぬ(ハーキタサイショネ)

○一も二もない 私が悪い(ハーキタサイショネ) 郷里に妻子の ある主さんも
  野暮な私が(アヨイショ) あるゆえ世間が さぞせまかろに(ハーキタサイショネ)

○一里二里なら 自転車で通う(ハーキタサイショネ) 五里や十里は 自動車で通う
  千里へだてりゃ(アヨイショ) 当世流行りの 飛行機で通う(ハーキタサイショネ)

○何時も月夜で 世が八月で(ハーキタサイショネ) 歳が二十五で 女にもてて
  銭の札束(アヨイショ) 勘定してたら アノ目が覚めた(ハーキタサイショネ)

○色で迷わせ 味では泣かせ(ハーキタサイショネ) ほんに貴方は アノ唐辛子
  言うなくさすな(アヨイショ) 甘いも辛いも縁じゃと あきらめなされ(ハーキタサイショネ)
 
○度胸さだめて 惚れたる仲を(ハーキタサイショネ) 要らぬお世話さ 水差す奴に
  見せてやりたい(アヨイショ) 添うたその夜の 二人の仲を(ハーキタサイショネ)

○丁と張りゃんせ もし半と出たら(ハーキタサイショネ) 私売りゃせ 大阪松島に
  二度の勤めも(アヨイショ) 主さん故なら わしゃいとやせぬ(ハーキタサイショネ)

○梅が好きかよ 桜が好きか(ハーキタサイショネ) 梅も嫌だよ 桜も嫌だ
  私ゃ貴方の(アヨイショ) モモとモモとの 間が好きよ(ハーキタサイショネ) 


キンニャモニャ 歌詞
○きよが機織りゃキンニャモニャ あぜ竹へだけ 殿に来いとのキンニャモニャ 招きだけキクラゲチャカポン もてこいよ
 (キクラゲチャカポン もてこいよ)   
※以下、唄ばやし同じ
                 
○世にも珍しキンニャモニャ 歌えや踊れ 苦労忘れてキンニャモニャ 酔うほどにキクラゲチャカポン もてこいよ

○人もうらやむキンニャモニャ 夫婦であれば 苦労するのもキンニャモニャ いとやせぬキクラゲチャカポン もてこいよ

○渾名(あだな)つけられキンニャモニャ 松太郎爺さんは 腹も立てずにキンニャモニャ 働き者よキクラゲチャカポンもてこいよ

○隠岐の港にキンニャモニャ 歌声すれば 老いも若きもキンニャモニャ 踊り出すキクラゲチャカポン もてこいよ

○花は二度咲くキンニャモニャ 若さは一度 若さ恋すりゃキンニャモニャ 色は来ぬキクラゲチャカポン もてこいよ

○嬉し目出度のキンニャモニャ 若松様は 枝も栄えてキンニャモニャ 葉も茂るキクラゲチャカポン もてこいよ

○丸い卵もキンニャモニャ 切りよで四角 物は言いよでキンニャモニャ 角が立つキクラゲチャカポン もてこいよ

○届け届けよキンニャモニャ 末まで届け 末は鶴亀キンニャモニャ 五葉の松キクラゲチャカポン もてこいよ

○青い松葉のキンニャモニャ 心底(しんてい)見やれ 枯れて落ちてもキンニャモニャ 二人連れキクラゲチャカポン もてこいよ

○嬉し目出度のキンニャモニャ 若松様よ 枝も栄えてキンニャモニャ 葉も茂るキクラゲチャカポン もてこいよ