正調博多節 歌詞
○博多帯締め 筑前絞り 歩む姿が 柳腰

○博多へ来る時ゃ 一人で来たが 帰りゃ人形と 二人連れ

○操縦縞 命も献上 固く結んだ 博多帯

○意気地づくなら 命もままよ 博多小女郎の 末じゃもの

○何の玄海 船底枕 覚めりゃ博多の 灯が招く

○何の玄海 船底枕 明けりゃ博多の 灯が見える

○何を偲びて 鳴く小夜千鳥 博多小女郎の 夢の跡

○寄する仇波 いつしか引いて 主と玄海 おぼろ月

○風が邪魔して つがいの蝶も しばし菜の花の 裏に住む

○博多人形に 思いを秘めて 贈る私の 胸の内

○千代の松原(松ヶ枝) 傾(かたぶ)く月を かけて一声 ほととぎす

○博多山笠 締め込み法被 シュっとしごいた 力綱

○筑紫名所は 名島に宰府(さいふ) 芥屋(けや)の大門(おおと)の 朝嵐

○博多柳町 柳はないが 女郎の姿が 柳腰

○博多柳町 柳はないが 恋の小女郎の 夢の跡

○博多柳町 蛇の目がけぶる 明けの別れの 涙雨

○御衣(ぎょい)を捧げて 泣く秋の夜に 月がさし込む 榎寺

○恋の中道 情けの博多 波を隔ての 礒千鳥

○海の中道 手をさしのべて 抱いて静かな 博多湾

○誰に買われて いくとも知らず 博多人形の 片えくぼ

○博多よいとこ 朝日に映えて 松と竹とが 西東

○博多恋しや 小女郎が招く 何の玄海 波枕

○君を松原 月さえ朧 名所名島の 波の音

○飽かぬ別れに 今日この頃の 痩せを覚ゆる 博多帯

○締めりゃ泣くから とる手を替えて 解けばまた泣く 博多帯

○知らぬ振りして ただ一滴 博多絞りの 落とし紅

○博多見せよか 那珂川見しょか 仇な姿の 水鏡

○蒙古十万 沈めた海と 聞くも勇まし 波の音

○行こか柳町 戻ろか新茶屋 ここが思案の 石堂橋

○鼻と鼻とがお邪魔になって 口も吸えない 天狗さま



【博多小女郎浪枕入り】(藤田正人作詩/大村能章作曲)
○意気地づくなら 命も何の
 「船を出すなら 日中(ひなか)にお出し とかく夜更けは 命がけ
  小判枕に 長崎薩摩 毛剃(けぞり)九右衛の 声がする」
 博多小女郎の 末じゃもの

【エンヤラヤ入り】
○何の玄海 船底枕 覚めりゃ博多の 灯が招く
 「千代の松原 月夜に待てば 松の模様の 袖濡らす
  エンヤラヤノヤ エンヤラヤノ エンヤラヤノ エンヤラホイノサ」