鶴崎踊り―猿丸太夫 歌詞
〇来ませ見せましょ 鶴崎踊り 何れ劣らぬ 花ばかり
 (ヨイヨイ ヨイヤサー)※以下唄ばやし同様

〇娘島田に 蝶々が止まる 止まる筈だよ 花じゃもの
 (踊りは花だよ 花だよ)※代え文句 

〇揃うた揃うたよ 踊りの花が 品のよいのを嫁にとる

〇主は櫓で わしゃ踊り子で 揃い衣装の 伊達姿

〇姉と妹に 紫着せて どれが姉やら 妹やら

〇咲いた咲いたよ 踊りの花が 里の香りを 染めて咲く

〇娘やるなら 品良い殿御 月の明りが 気にかかる

〇姉がさすなら 妹もさしゃれ 同じ蛇の目の 唐傘を

〇花はいろいろ 五色に咲けど 主に見かえる 花はない

〇百合か牡丹か 鶴崎小町 踊り千両の 晴れ姿

〇私ゃ踊りの 鶴崎育ち 品のよいのは 親譲り

〇昔ゃ肥後領 百千の船が 上り下りに 寄る港

〇沖の鷗か 九曜の紋か お江戸上りの 舵子の声

〇昔繁盛の 御茶屋の庭に 今は踊りの 花が咲く

〇花が見たくば 鶴崎踊り 肥後の殿さえ 船で来る

〇一目千両の 踊りに惚れて 旅を延ばした 人もある

〇菊のみかおり 夜露のお庭 残る記念の 致楽荘

〇咲いた桜に 何故駒つなぐ 駒が勇めば 花が散る

〇団扇太鼓の 音賑やかに 豆茶ゆかしい 法心寺

〇二十三夜の 清正公様よ 千の灯明 夢誘う

〇蛇の目加藤の 武勇を偲ぶ 藤の葛の 陣太鼓

〇宵待ち草の 花咲く河原 月も朧に 地蔵山

〇月は九六位 大野の川に 映えて鶴崎 盆踊り

〇夏は遊船 川風夜風 眺め見飽かぬ 大野川

〇里の誇りの 鶴崎踊り 老いも若きも 皆踊る

〇差す手引く手も 色とりどりに 今宵一夜の 花絵巻

〇お前百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の 生ゆるまで

〇今宵踊りは 輪に輪が出来た 思い思いの 艶姿

〇歌え踊れや 今宵の月を 盆が仕舞えば 西東

〇梅は匂いよ 桜は色よ 人は情けが 第一よ

〇歌え踊れや 今宵の月で 盆がしまえば 西東


〇名残り豊かな 踊りの花は 千代に薫りを 止めて咲く


鶴崎踊り―左衛門 歌詞

 (ソレエーソレエー ヤットーヤーソレサ)
〇それさそれそれ それならよかろ それさそれそれ それならよかろ
 (ソレエーソレエー ヤットーヤーソレサ) ※以下唄ばやし同様

〇豊後鶴崎 その名も高い 踊る乙女の 品のよさ

〇清き流れの 大野の川に 月に浮かべた 屋形船

〇唄で流して 浮世ですねりゃ 波は気ままな 片飛沫

〇仇な情けに つい流されて 百堂渡しの ほととぎす

〇大野下りは 任せた身体 流せ浮名の 屋形船

〇下る白滝 情けの金谷 末は鶴亀 抱寝島(だきねじま)

〇昔ゃ肥後領 栄えた町よ 今じゃ踊りで 名が高い

〇昔ゃ肥後領 百千(ももち)の船が 上り下りに 寄る港

〇逢うて良いのは 夜明けの月さ お前薄情な 枯れ薄

〇川もせかれりゃ 高なる瀬音 まして恋路の 関所跡

〇潮干狩りなら 青崎浜に 路はなみきの 土手続き

〇私ゃ踊りの 鶴崎育ち 品の良いのは 親譲り

〇思うて通えば 千里も一里 逢わで戻れば 又千里

〇青き松葉の 心底見やれ 枯れて落つるも 二人連れ

〇咲いた桜に 何故駒つなぐ 駒が勇めば 花が散る

〇清き流れの 大野の川に 月に浮かべた 屋形船

〇お前百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の 生ゆるまで

〇歌え踊れや 今宵の月を 盆が仕舞えば 西東 

〇夏の涼みは 大野の川の 月に浮かべる 屋形船


〇名残り惜しくは 御座候えど まずはこれにて 留めます