<岐阜県郡上市白鳥町向小駄良>
神明神社
10月上旬

<1日目>平成12年10月7日(土) 11:00 円覚寺  氏子総代宅  区長宅
12:30 大神楽 神明神社打込み
15:00 嘉喜踊 神明神社打込み
<2日目>平成12年10月8日(日) 11:00 防災センター出発
12:00 大神楽神明神社打込み
14:30 嘉喜踊神明神社打込み
16:30 餅投げ

岐阜県には「大神楽」「嘉喜(かき)踊」といった芸能が残されています。

「大神楽」というと、二人立ちの獅子を中心とした「伊勢太神楽」「尾張太神楽」…そして、曲芸も付随する「江戸太神楽」のイメージですが、この岐阜の「太神楽」どうも風流系の芸能のようです。
また、「嘉喜踊」は「かき踊り」「かけ踊り」ともいい、周辺にいくつか残されています。こちらも風流系の芸能です。

向小駄良は、白鳥町でも長良川右岸、油坂峠へ向かうループの道路の下あたり!です。この神明神社で行われます。

「大神楽」は明治10年(1877)に為真から習ったものといい、「嘉喜踊」は大正8年(1819)に中津屋から習ったものといいます。ただ、かつて文久2年(1862)には「向小駄良懸踊」として、「御鍬祭に参加した記録があるといいますので、習い覚える下地があったようだと言われています。

なお、毎年の例祭で奉納されてはこなかったようです。わたくしが訪ねた平成12年(2000)も、何年か振りに奉納されたものでした。

神社で待つと、行列が入ってきます。囃子は、担げるようにしつらえた太鼓に、篠笛が大勢。行列は、大名行列を模した華やかなもので、大鳥毛、薙刀振りなど、きらびやかな風流絵巻でした。


大神楽
拝殿下の広場で、菅笠に紋付の装束の笛の吹き手が取り囲む中で、大神楽が奏演されます。動きの少ない獅子とその正面で筵を敷いたところで唐子と呼ばれる役が舞います。笛また、数々の道化も登場し、場を盛り上げます。
「大神楽」の演目は次の通り。

@こしづめ  A大道行  B宮まわり  C場ならし  Dとうふや  Eだいかぐら  F中まわり  Gおかざき  Hふきませ  Iはやだいかぐら  Jあとばやし  Kかえりおかざき 
…(KとBで宮横へ移動 CからJまで繰り返し Kと@で退場 嘉喜踊と合流する)

嘉喜踊
3人の舞手により「嘉喜踊」が踊られます。きらびやかな衣装、それも何となく異国風なイメージ…。胸には大振りの締め太鼓を付け、手には桴を持って打ちながら舞います。そして目を引くのは、背中に背負った長い「しない」。色紙を着けたもので、それを地面を掃くように舞う場面もあります。この踊りの時、笛と鉦を打つ役が回りを取り囲みます。
「嘉喜踊」の演目は次の通り。

@こしづめ  Aてんてこ  Bかこでこ  C山田  Dすってこ  E本踊  F打ちくずし
…(Fと@で1度退場し、@からBを繰り返す)
G野田  Hかんこのばち  I返しの踊     
…(Fと@で退場する)


向小駄良神明神社の祭礼は、「大神楽」と「嘉喜踊」のセットで、大変華やかな芸能でした。また、本来は昨年度の平成11年度に実施されるはずであったところ、災害のために1年延びたとのことでした。

郡上郡内には「嘉喜踊(掛け踊り)」は、11ヶ所に残されているといいます。なかなか見ることも出来ませんが、各地の芸能を見てみると面白いものです。