根知山寺の延年・本祭<おててこ舞

山寺延年を代表する舞。風流系の小歌踊りであるといい、舞というよりは踊り。地元でも単に「踊り」と言われているようだ。踊り大将は笠に五色の四垂をつけ扇を持つ。踊り児は花天冠に、背中には大きな熨斗を背負うのが特徴。この演目だけ笛がなく、太鼓と歌がつく。踊りのための唱歌「シッテン シッテン テコテンテ シッテン シッテン テコテンテ テコテンテ…」といった口拍子が唱えられる部分も印象的。


おててこ舞の歌詞

《露の踊》
○イヤ静々と イヤ静々と 皆一同にお並び揃うたかや 露の踊を 
  イヤ見せまいらせう イヤ露の踊りは踊りヨー イヤ踊りヨー

○イヤ山寺育ちのお稚児様 お稚児様 袴の裾に露が入る
  イヤ露の踊りは踊りヨー イヤ踊りヨー

○イヤ山寺通いのお僧様 お僧様 衣の裾に露が入る
  イヤ衣の裾に露が入る
  イヤ露の踊りは踊りヨー イヤ踊りヨー
  イヤ露の踊りは これまで イヤこれまで

《若衆踊》
○イヤ一節かけてまた踊る イヤ一節かけてまた踊る
  イヤ若衆踊りは踊るヨー イヤ踊るヨー イヤ

○イヤ都若衆のねたる夜は ハァ竹に鴬群雀
  いつも住みたや この里に   ハァ若衆踊は おもしろや

○さつま若衆のねたる夜は 松に小鷹の身を持ちて
  はなれがたなの今宵かな  ハァ若衆踊は おもしろや

○帯になりたや繻子の帯 
  ハァ昼は若衆の腰しめて  ハァ夜は解かれてそばに寝る
  ハァ若衆踊りはこれまで イヤ若衆踊りはこれまで イヤ若衆踊りはこれまで イヤ

《扇車》
○これから見れば 近江が見える ハァー笠買うてたもうてン 
  ヤーコレノー 近江の笠をン ヤーコレノー

○近江の笠は なりがようて ハァーしめ緒が長うてウン
 ヤーコレノー 何程着よござる ヤーコレノー

○吉野の山は 雪かと見れば 雪ではあらでン
  ヤーコレノー 花が散るものを ヤーコレノー

《四節踊》
○イヤ一節かえて また踊る イヤ四節踊は 踊るヨー
  イヤ踊るヨー

○春は万咲く 梅桜 藤椿 山吹の花 ヤン 面白や
  ハァ四節踊は 面白や

○イヤ夏は涼しき 川々の 鵜使ひ 都の人かヤン 面白や
 ハァ四節踊は 面白や

○イヤ秋の木の葉の 散り散りなる頃 まだ居る松虫 声々に
  ハァ四節踊は 面白や

○イヤ冬はけはしき谷々 降る雪 ところの御地や すさまじや
  ハァ四節踊は 面白や
  イヤ四節踊はこれまで イヤこれまで
  イヤ四節踊はこれまで イヤこれまで ハァ

《三国踊》
○田舎なれども 三国は名所 沖によし島 新保が見ゆる
  都まさりの女郎もある 都まさりの女郎もある

○さてもやさしの 沢辺の蛍 忍ぶ夜道の 火を灯す
  忍ぶ夜道の 火を灯す 忍ぶ夜道の 火を灯す

《百六》
○イヤ麻の中なる 糸よもぎ 麻の中なる 糸よもぎ アー
  よれてかかるもノー縁でそをろ
  ハァ親だ子だとても イヤ互いにいつも ヒヤー
  小原木や 小原かを かわむぎ くろむぎ 
  かをリョーリョー ふりょー ハァひや ひやあ ひや ふりょ ひやあ ふりー ひやあ
  ふりょ ふり ひやあ ふりょ ハァ

○イヤ八瀬や小原の おやしきものは 八瀬や小原の おやしきものは
  紅や麝香は持たねども イヤ匂ふて 通るはたきもの 
  イヤ小原木や 小原かを かわむぎ くろむぎ 
  かをリョーリョー ふりょー ハァひや ひやあ ひや ふりょ ひやあ ふりー ひやあ
  ふりょ ふり ひやあ ふりょ ハァ