長野県諏訪郡下諏訪町

長野・下諏訪にある蔵。酒は「御湖鶴(みこつる)」。

諏訪といえば寒冷な気候で、古くから酒造りの盛んな土地柄として知られています。また諏訪大社のお膝元であり、御柱祭に象徴されるように、年中大小さまざまな祭りが執り行われていますので、祭りには酒がつきもの…ということに関係があるかどうかはともかく、古い蔵元が多いです。

「御湖鶴」を醸す、菱友醸造さまは、諏訪大社下社秋宮の下あたり、下諏訪温泉の付近にあります。創業は大正元年。「御湖鶴」というネーミングは、創業者が、諏訪湖に飛来する鶴の姿を夢に見てつけられたものといいます。

わたくしとこの酒との出会いは、自分が諏訪を通り抜けて、南信へ出かけるときに、たまたま買ったことからです。当時、地元・上田では見られないので、諏訪の地を通らないと買えませんでした。
この数年、大変知られるようになりました。新基準への挑戦、ということで「酸」を基調とした味わいのバランスに取り組んでこられたとのことです。そして、新生「御湖鶴」は、各地でも見られるようになっています。

わたくしが蔵元を訪ねたとき、出てきてくださった方は若い方でした。いろいろお話しさせてもらったところ、詳しく、熱く語ってくださいました。創業は大正ということで、100年を迎えようとしており、「古いですね」と言うと、「他の蔵元は明治とか、江戸時代というところもありますから…」と、控えめにお話しされます。江戸時代ではなくても、100年とはすごいことだと思います。

伝統ある蔵元では、蔵元コンサートなど、いろいろな企画をされておられます。そして、新しい挑戦の酒をいただくというのは、何ともいいものですね。


純米吟醸・金紋錦 「御湖鶴」グラス