長野県南佐久郡佐久穂町

信州・南佐久にある蔵。酒の名前は「井筒長(いづつちょう)」。
日本一の大河・信濃川の上流、千曲川もまだ川幅が狭い、南佐久郡佐久穂町。右岸にひっそりとあります。
八千穂村は標高800メートルある高地です。全国の酒造場でも最も高いところの蔵といわれているそうです。旧道沿いに面していますが、とても趣のある古い町並みは、歴史を感じさせます。

蔵の入口は長屋門となっていて、これもまた歴史を感じさせる建物です。中に入ると、酒の資料館として、昔の酒造の道具や、古い酒器などが展示されています。

酒造の創業は安政5年(1858)といいますから、江戸時代末期。何でも、かつていろいろな事業をされており、酒造はその中の一つだったそうです。また、こちらの「マルト」という屋号は、マルが太陽、トが昇るつまり旭日昇天、事業を伸ばすという意味だそうな。大正時代に掘った井戸が良い水であったことから「井筒正宗」というネーミングになり、昭和にいたって井戸の守り手の長の意味から「井筒長」と名付けられたそうです。

また、敷地内に入ると、酒造に使われるという仕込みの水が手水に引かれていました。千曲川の伏流水であるという説明板がありました。酒の命はよい水でしょうけれど、そうした仕込み水は大切にされています。口に含んでみました。やわらかな水のような感じがしました。

ここの建物の下の方には、絵画や陶器などを展示した「ギャラリーくろさわ」がありますが、ここでは利き酒や買い物もすることができます。以前、この空間で邦楽の演奏会が行われ、聴きに行ったことがあります。大変いい雰囲気でした。

また、隣接の「ギャラリー喫茶くろさわ」では、酒だけでなく独自のブレンドコーヒーもいただけます。

佐久は酒所ですが、ここは我が家からそれほど遠くはないので、よく買いに行きます。酒以外にも「甘酒」や「粕漬け」等オリジナル商品があって楽しいです。遠くの知り合いに差し上げたところ、大変喜ばれ、それ以来のファンにしてしまいました。大吟醸の白い陶器製の蓋付き瓶は、その後も愛用しています。


原酒・大吟醸マルト
純米酒・マルト(山廃)
純米酒・マルト礎(いしずえ)無濾過生原酒