新潟県長岡市小島谷

新潟・長岡市、旧和島村にある蔵。酒は「清泉」そして「亀の翁」。
創業は天保4年(1833)といいます。古くから酒造を行ってこられた蔵元です。

旧和島村は、新潟でも中越地方。近くには「良寛の里」という観光施設があるように、貞心尼と共に晩年を過ごした良寛ゆかりの土地です。

この蔵が広く知られるようになったのは、漫画「夏子の酒」の題材となった蔵でありました。

しかし、幻の名酒米「亀の尾」を復活させての物語は、大変な努力とロマンであったといいます。それで醸した大吟醸「亀の翁」は大変美味しいお酒です。

蔵元は、越後線・小島谷駅から与板方面へ向かう道路を道なりに進むと、静かな山村といった風景の中に、見えてきます。

道端には「亀の尾再現の地」という看板が立てられた田圃が広がり、その向こうに白壁の蔵が見えます。
中へは入れませんが、大変静かな佇まいでした。いろいろな本によると、敷地内に湧水地を持っておられるといい、屋号もズバリ「清水」だそうです。

わたくしが新潟に暮らしていて、3月に去るというころ、たまたま手に入れることができたのが特別純米酒「清泉」でした。その頃、日本酒がいい!と思い始めていた頃で、手当たり次第に飲んでいた時期でしたが、この「清泉」は、かなりインパクトのあるお酒でした。そして「夏子の酒」を知り、「亀の翁」の存在を知りました。

この酒には思い出がまだあります。実は!就職して初めての年の冬のボーナス支給日のこと。たまたま初めて入った酒屋で、何気なく棚を眺めていると、何と「亀の翁」が目に入ったのです。
いくらか懐の暖かかった自分は、見た瞬間に購入しました。そして飲んでみたところ、それはそれは感激の味でした。

その後「亀の翁」を店頭で見かけることもあまりないのですが…「清泉」は愛飲しています。

特別純米酒<七代目>