福井・大野市にある蔵。酒は「花垣」。
この大野市は奥越前。峠を越せば岐阜へ出られます。
創業は明治34年、南部家の6代目当主が始められたそうです。
もともと南部家は、大野藩の御用商人であったといいます。
こちらの蔵がある「七間通り」は、大野に入った金森長近公が城下町を築き、朝市を振興したものといいます。今でもこの朝市は続いており、わたくしが訪ねたときも、お昼近い時間でしたが、まだ残っておられました。
大野は水の郷でもあります。蔵元の前には醸造に使われるという七間清水の水場が作られていました。
他にも、全国名水百選に指定されている御清水や、海から遡上しないイトヨが住む本願清水など、たくさんの湧水、清水が多いことで知られています。
そして大野だけで30軒ほども酒蔵があったのだそうですが、戦後減ってきてしまったそうですが、こちらはずっと酒造を続けられてきたそうです。
酒名は、謡曲「花筐」の「花垣」と言う言葉を銘柄にされたものといいます。
趣のある七間通り、美味しい水…戦災をまぬがれたという大野にあって、歴史あるお酒に出会えました。