<埼玉県越谷市下間久里> 香取神社〜各戸7月15日 |
関東の三匹獅子を見たい!と思っていたところ、たまたま越谷市の親類が下間久里に住んでおり、おばから「下間久里獅子舞」のことを聞き、訪ねることができました。
その後調べてみると、この獅子舞は越谷でも有名な獅子であることが分かってきました。伝承では、京都から文禄3年(1594)に伝わったという伝承があるそうですが、はっきりはしないようです。また、獅子舞に関する巻物が残され、「開くと目がつぶれる」といわれているとか。
獅子は、太夫獅子・中獅子・女獅子の3匹。それぞれ黄金色の龍頭形式でした。「こうがけ」と呼ばれる布を垂らし、下は切袴で、信州の三頭獅子から見るとかなり、きらびやかな印象でした。
他には、太夫、副太夫、四隅に立つ、御幣を立てた箱獅子等の役があります。
まず、香取神社前の鳥居から、行列で《街道下り》で拝殿へ進みます。そこで「宮参り」で、拝殿を一回りし、「津島」「はや」を舞います。太夫は御幣を持って、太夫獅子の背中につけ、くじを切ります。
その後、村回りになります。家々やお堂、祠、村境などで舞われます。
家々では、獅子は草履のまま上がり、「地固め」を舞います。その他にも「津島」「はや」「よつあげ」「ぼっこみ」などから舞われるといいます。
他の演目としては、「出端」や「さんぎり」といった道化が登場する舞もあるそうです。また、かつてはダンナサマの家で「太刀の舞」「弓くぐり」などといった舞もあったそうです。
わたくしが訪ねた1990年は、雨も降ってしまって、十分な見学もできなかった思い出があります。しかし、ここ下間久里の獅子は豊かな伝承、信仰に関わる民俗的なものが残されており、大変興味深い獅子舞でした。