<長野県上田市山口>
太郎山神社/5月5日 午前10:00〜
 

長野県の東部・上田市の市民の山として親しまれている太郎山(1164m)の山頂に、太郎山神社があります。この神社は、熊野信仰の流れをひくといい、創建は鎌倉時代、建久年間といい、海野幸氏が旱魃に際して、雨乞いのために勧請、社を設けたという口伝があります。境内は、拝殿の下に、社務所と神楽殿があります。この神楽殿で、拝殿に向かって3演目の神楽が奏演されます。

毎年5月5日に、太郎山登山口である山口地区の人々によって、奉納されています。芸態は、九字を切る所作や剣印、鳥兜などの装束、足で「鬼」の字を書くなど、修験道芸能としての特徴をよく表しています。東北地方の山伏神楽に似た感じがするのも、この地方の太々神楽の特徴といえるかもしれません。

太々神楽は長野県北信地方では盛んで、中でも戸隠神社の太々神楽がよく知られています。戸隠から習ったという伝承を持つ地区もあります。また東信地方ではこの上田市の他、北佐久郡軽井沢町峠、佐久市塚原、南佐久郡小海町松原(ここは廃絶)など、それほど多くはないです。

楽器は、鋲留め太鼓に、7孔の篠笛を使います。楽人は、狩衣に折烏帽子に白鉢巻といった装束で奏します。


演目名 舞について
1  鶏面 2人舞。能面風の面を着け、鶏の頭の付いた鳥兜で登場。体をよじる所作が多い。
2  猿田彦、天若彦 赤塗りの猿田彦と黒髭の天若彦の2人舞。日月の鳥兜で登場。
3   1人舞。白色で切り顎の翁面を着けて登場。
                                                                       参考:「太郎山を語る」