糸魚川市能生木浦新戸/日吉神社/9月17日

新潟県上越地方には「太夫舞」と呼ばれる神楽が伝承されています。隣接する長野県北部には、同様の芸能として「太々神楽」が残されていますが、いずれにしても神楽の系統です。

上越地方の場合、太夫さん(たゆうさん、たいさん)と呼ばれる神職によってあちこちの神社で奏演される場合と、地元の方々によって奏演されているものとがあります。

この木浦(このうら)新戸(あらと)地区は、能生町でも山手に入ったところ。その高いところに日吉神社があり、地元の方々による舞が奏演されています。演目は12種類あり、「十二の舞」とも呼ばれています。アクロバティックな舞もあり、見る者を飽きさせない神楽です。

糸魚川〜西頸城郡あたりには、同様の舞が残っています。「おててこ舞」で知られる糸魚川市根知山寺の延年の宵宮の舞も、同系統のものです。

地元では、当たり前のように奏演される舞ですが、わたくしが初めて訪ねたのは1991年。その後、18年経った2009年に再訪。舞台が新しくなったり、衣装も若干の変更もあったりしましたが、しっかりと伝承されています。とても雰囲気のいい祭りです。

演目 舞について
獅子 1人舞。古い幌を被って、激しく舞う。
太平楽 1人舞。舞楽からの移入と思われる。
三番叟 1人舞。手には扇と鈴を持つ。前半は直面、後半は黒色尉の面を着けて、扇を開いて舞う。
当社 1人舞。白い狩衣に、黒っぽい面を着ける。当社とはこの神社の祭神という意味である。
狩護 1人舞。前半は鈴と弓を持つ。後半は矢に持ち替え、射る。
魔王伐 ※未見
児屋根太王 ※未見
鏡舞 1人舞。2枚の盆を両手に持って、落とさないように回したり、回転したりする。
海幸 1人舞。いわゆる「エビスの舞」である。扇と釣竿を持ち、鯛を釣る。
戸隠 1人舞。シャグマに黒い面。いわゆる「天岩屋戸神話」をテーマとした舞。
天女 ※未見
増気大兵 2人舞。増気は面を着け、手杵と箆、大兵は面を着け、弓矢を持つ。途中に問答がある。