石川県羽咋郡宝達志水町所司原/白山神社/9月第3土曜日

能登半島の西部、能登の入口、羽咋郡宝達志水町は、獅子舞の多いところ。所司原地区は、氷見市から旧志雄町とを結ぶ「臼ケ峰往来」あるいは「御上使往来」と呼ばれる歴史の道沿い。かつて大伴家持や木曽義仲、親鸞といった人物も通ったという古道沿いの山村です。菊桜で知られる善正寺が有名です。その所司原の鎮守・白山神社の秋祭りに、所司原青年団による獅子舞が行われています。

系統は越中獅子で、隣村の原地区から獅子を習ったといい、その原地区は、お隣・氷見市触坂地区から習ったのだそうです。いわゆる氷見系ともいえる獅子は大型の頭、長めのカヤ(胴幕)に数名が入る百足獅子のタイプです。周辺の獅子舞を伝える地区では、所司原から習ったというところが多く、羽咋市太田もその1つです。

所司原は静かな山村で、地区上げての秋祭りも、9月第3土曜日の夕方から夜にかけて、公民館の庭と白山神社境内で舞われます。周辺に獅子舞を伝えたということ、それも当地域の氷見系の触坂獅子を伝承するという意味で、重要な越中獅子伝承地ということがいえます。わたくしが訪ねた2011年には、羽咋市東川原町の「日の出会」の方々が招かれ、獅子が奏演されていました。意味の深い獅子舞を伝える所司原では、元気に青年団によって継承されています。

2011年9月17日、羽咋郡宝達志水町所司原公民館前