<富山市婦中町中名>
熊野神社/8月25日

富山市婦中町は富山県の南西に位置し、おわら風の盆の八尾町の近くです。この中名(なかのみょう)に古くから伝わる稚児舞は、熊野神社の秋祭で奏演されます。

祭りは、8月25日お昼頃、中名の公民館で化粧や準備が始まり、午後4:00には大祭の神事が行われます。その後、午後5:00位から青年会による獅子舞が公民館で舞われます。そして、稚児は肩車によって獅子とともに熊野神社まで道行となります。

そこで祭典等ののち、稚児舞の奉納となり、7演目が奏演されます。終わると、再び道行で公民館へ戻ります。

この熊野神社は、もとは中名寺といい、舞台は立山に向かっているといいます。立山の開祖・佐伯有頼の子孫、源左衛門の子供が病気になり、熊野権現の祭祀が衰えているためという神託により、源左衛門が大祭を施行、その時に稚児舞を奉納したといいます。いずれにしても立山との信仰と関係があるようです。

わたくしにとって、富山県に来たのはこのおまつりが初めてでした。そして稚児舞もよかったのですが、獅子舞の特に衣装が珍しく、いろいろなところへ出かけると、芸能も雰囲気が違うのだ…と思いました。また、かつては日中に行われていましたが、近年、時刻が変更になりました。

演目 舞について
鉾の舞 小稚児2人の舞。鉾を持って舞う。
賀古の舞 大稚児2人の舞。弓矢を持って舞う。
林歌(りんが)の舞 大稚児2人・小稚児2人の4人舞。中啓を持つ。
蛭子(えびす)の舞 大稚児2人の舞。釣り竿、扇を持ち、鯛を釣る。
小奈曽利(こなそり)の舞 小稚児2人の舞。面はなく、簓(桴状のもの)を持つ。
大奈曽利(おおなそり)の舞 大稚児2人の舞。面を着け、簓(桴状のもの)を持つ。
陪臚(ばいろ)の舞 大稚児2人・小稚児2人の4人舞。楯と太刀を持つ。