<長野県飯田市下栗>
拾五社大明神/12月12日(宵祭り)13日(本祭り)

下栗といえば「遠山郷」のイメージ写真には必ず登場します。国道152号線から一気に駆け上がり、急斜面に家々が点在、畑も急斜面。最近「日本のチロル」などと呼ばれるようになってきました。下栗まで来るには、上村の小中学校のところから登る道と南信濃村の上島から入る道などがありますが、どちらも狭くて急な道。でも神社のある本村まで来ると、何とも言えない気分になります。眼前には南アルプスの高い山々が目に入りますし、畑は現役ですし…。

ここの霜月祭はかつて1月3日でしたが、近年12月13日になりました。
わたくしが初めて冬の祭りを見たのは、愛知・大谷の御神楽祭でしたが、その前日に下栗ロッジに泊まりました。その時、この拾五社大明神を通りかかったのが1月2日で、宵祭が行われていたのを見たのですが、これが衝撃でした。神社内で、神官の姿の祢宜達が数珠を手にして、般若心経を唱えていたのです。
神仏混淆時代の色彩を色濃く残すと言われていますが、実感しました。

下栗のまつりは、現行では本村の拾五社大明神で行われていますが、かつては本村より更に奥の屋敷の津島天王社でも行われており、ある時から拾五社と津島社と一緒に行うようになったそうです。そのため、面も双方の神社のものが合わされたので面の数が多く、2組ずつ出る舞もありました。


◎本祭りの次第
1  水迎え
2  釜清め
3  座揃え
4  神名帳
5  湯立て
 ・式の湯(十二天の湯)
 ・天王の湯
 ・五穀豊穣の湯
 ・村内安全祈願の湯
 ・願湯
 ・眷族(けんぞく)の湯
 ・天伯の湯
6  喜びの舞
7  三太夫家清め
8  中祓い
9  鎮めの湯
10 襷の舞
11 神面
 日天・火の王(拾五社)
 ・月天・水の王(拾五社)
 ・八社
 ・津島牛頭大神(津島天王)
 ・子安神
 ・辰巳山神
 ・日天・火の王(津島天王社) 
 ・月天・水の王(津島天王社)
 ・四面(拾五社)
 ・四面(津島天王社)
 ・一の宮・二の宮 
 ・拾五社明神
 ・秋葉神
 ・池大明神・若宮
 ・稲荷
 ・龍頭(たつがしら)・ちんちゃこ
 ・神太夫夫妻
 ・天伯
12 賀寿(かす)舞
                                参考:上村教育委員会「かみむらの霜月祭り 祭と面」