〜新潟県佐渡市〜

「おけさといえば佐渡、佐渡といえばおけさ」というフレーズをよく聞きますが、佐渡と言えば「おけさ」を連想します。
このおけさの母胎はというと、九州・熊本の《牛深ハイヤ節》が北上し、新潟あたりの甚句系の古い「おけさ」の歌詞にのせて歌われ広まったとものといいます。

佐渡のおけさというと言うまでもなく相川町の《佐渡おけさ》、小木町の《小木おけさ》などが知られますが、その前身たる「ハイヤ節」としてよく知られているのが、赤泊村の《佐渡ハンヤ節》です。

旧・赤泊村というと、本州から佐渡へ渡る佐渡航路の一つ「赤泊港」で知られます。その港から内陸へ5キロメートルほど入ったところにある三川・山田地区で盆踊り唄として歌われていたのがこのハンヤ節です。


ここでは笛と太鼓、そしてジャビラ鉦と呼ぶ銅拍子などの伴奏で賑々しく唄われています。曲のスゥイング感は、「おけさ」よりもやはり九州の「ハイヤ節」の雰囲気を残しているような感じです。また三味線も入らずに銅拍子が入るので、一瞬神楽囃子?と思わせる雰囲気を持っています。

《佐渡ハンヤ節》という曲名については、もちろん最近のネーミングかと思われます。地元では《山田のハンヤ》とか《赤泊ハンヤ節》などという場合もあるようです。もっとも佐渡島内には《真野ハンヤ節》《金井ハンヤ節》などもあるようですが、この唄が佐渡を代表する「ハンヤ節」として盛んに歌われているようです。