<長野県下伊那郡天龍村大河内> 大河内池大神社/1月5〜6日 |
大河内は天龍村でも天竜川から山間に入り、早木戸川に沿って、阿南町新野へ向かう道を行き、途中から更に山の方へ進んでいくとあります。
ここの神楽は、坂部のような面形の舞はありません。ただ内容的に奥三河の花祭に共通するところがあるということで、同じ霜月神楽でも、花祭の「大入系」「振草系」とともに「大河内系」として位置付いています。
夕刻、集会所をお練りが出発するところから始まります。神社へたどり着くと、拝殿で神事が行われます。
そして場所を舞堂に移すと、舞が始まります。そしていくつかの「湯立」が行われて行きます。中でも「みるめの湯立」といったように、花祭に登場する「見目」が出てきたり、「三つ舞」「四つ舞」といった舞の構成が花祭に似ているようです。
そして終了は日も変わった午前3:00頃です。完全な徹夜にはならずにまつりは終わります。
ここの舞は、大きな袖を翻すように舞うのが特徴的です。鳥が羽ばたいているかのような舞はなかなか勇壮です。また音楽は笛と太鼓が使われます。耳をすませてみると、笛のメロディはおとなりの新野の雪祭に使われているものとよく似ています。新野の雪祭は田楽、大河内は神楽ですが、芸能のジャンルを超えて音楽的なつながりがあるということは、面白いことです。
また湯を跳ね飛ばす時、見物衆からは「テホヘテホヘ」などと、花祭の掛け声がかかります。ここにも芸能上のいろいろな交流があるようです。